生物多様性に関する基本理念と行動指針 製薬協が策定
日本製薬工業協会は、病院、診療所などの医療機関で使われる医療用医薬品の研究・開発を通じて世界の人々の健康と福祉の向上に貢献することを目指す、研究開発志向型の製薬会社が加盟する団体ですが、1月30日、「自主基準」に「生物多様性に関する基本理念と行動指針」を掲載しました。1月18日に策定したものです。詳細は協会ホームページのニュースリリースで見ることが出来ます。
【基本理念】
日本製薬工業協会(製薬協)は、「製薬協企業行動憲章」において、「環境問題への取組みは人類共通の課題であり、企業の活動と存続に必須の要件として、主体的に行動すること」を宣言している。
私たちは、医薬品の研究・開発・生産・販売から、その使用・廃棄に至るまで、大気、水域、土壌、生態系を含む地球環境の保全に配慮する。地球環境の重要な基盤である生物多様性が生み出す自然の恵みに感謝し、自然環境と事業活動との調和を志す。また、生物多様性の重要性を認識し、社会とのコミュニケーションを図り、生物多様性に関する社会的責任を果たすことを通して、持続可能な社会の発展に貢献する。
「基本理念」を受けて的確な行動を取るための手引きとして、以下に「行動指針」を示す。この行動指針は、生物多様性保全のために必要な行動のすべてを示すものではなく、各企業が自然破壊と事業活動の調和を考慮し、最善の方策を見出して取組む際の参考とすることを目的とする。
【行動指針】
1.地球温暖化防止の取組みの推進
省エネルギー技術の導入や利用推進等により、温室効果ガス排出量の低減を図り、生物多様性に大きな影響をもたらす気候変動問題への取組みを推進する。
2.資源の持続可能な利用
資源の有効利用を図り、循環型社会形成に向けた3R(リデュース、リユース、リサイクル)等を継続的に推進する。また、医薬品の開発や製造における生物資源(遺伝資源を含む)の利用においては、生物多様性の保全を考慮し、国際ルールに則った行動を行なう。
3.化学物質による環境リスクの低減
事業活動や製品の使用・廃棄等が生物多様性に与える影響に配慮し、化学物質の排出等に伴う、大気・水質・土壌・生態系などへの環境負荷の低減に努める。
4.生物多様性保全への基盤作り
生物多様性の保全に資する従業員教育の実施や、社会貢献活動を通じて地域社会等とのコミュニケーションを積極的に図り、それら社内外関係者との連携・協力を通して、社会全体の生物多様性に関する保全意識の向上に努める。