後発品の使用促進で環境整備 中医協で論議
中央社会保険医療協議会の第219回総会は、1月30日に開催され、診療報酬改定について論議しましたが、「効率化余地のある領域の適正化」の中で、「後発品の使用促進」が提示されました。
第1 基本的な考え方
1.これまで、後発医薬品の使用促進のため、処方せん様式の変更、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則等の改正、薬局の調剤基本料における後発医薬品調剤体制加算の見直し、医療機関における後発医薬品を積極的に使用する体制の評価等の取組を行ってきた。
後発医薬品の使用割合は着実に増加してはいるものの、政府目標の達成のためには一層の使用促進が必要であり、後発医薬品の品質面での信頼性確保とその周知に一層努めるとともに、入院、外来を問わず全体として後発医薬品の使用を進めていく必要がある。
このため、「後発医薬品の使用促進のための環境整備の骨子」に基づき、環境整備を行う。
2.なお、「診療報酬において加算等の算定対象となる後発医薬品」の範囲については、平成22年4月以降、先発医薬品の薬価より高い品目を除外してきたところであるが、平成24年4月以降は、これに加え、先発医薬品の薬価と同額の品目についても、除外することとする。
第2 具体的な内容
1.薬局における後発医薬品調剤体制加算等の見直し
(1)調剤基本料における後発医薬品調剤体制加算の見直し
薬局における後発医薬品の調剤を促すため、調剤基本料における後発医薬品調剤体制加算の要件について、数量ベースでの後発医薬品の使用割合が22%以上、30%以上及び35%以上の場合に改めることとし、特に30%以上及び35%以上の場合を重点的に評価する。
調剤数量の割合を計算する際に、経腸成分栄養剤及び特殊ミルク製剤に加えて、漢方製剤及び生薬については、分母から除外する。
平成24年度薬価改定の結果、一部の後発医薬品の薬価については、先発医薬品の薬価よりも「高くなる」、若しくは「同じとなる」見込みであることから、これらの品目については、後発医薬品の使用に係る診療報酬上の評価の対象としている「診療報酬における後発医薬品」のリストから除外する。
(2)後発医薬品調剤加算及び後発医薬品情報提供料の廃止
調剤料における後発医薬品調剤加算及び薬学管理料における後発医薬品情報提供料を廃止する。
2.薬局における薬剤情報提供文書を活用した後発医薬品に係る情報提供の評価
薬剤服用歴管理指導料における薬剤情報提供文書の中で、全ての先発薬に対する後発医薬品に関する情報(後発医薬品の有無、価格及び在庫情報)を付加的に提供することを、薬剤服用歴管理指導料の算定要件として評価を行う。
3.医療機関における後発医薬品を積極的に使用する体制評価の見直し
医療機関における後発医薬品の使用を進めるため、後発医薬品使用体制加算の現行の要件(後発医薬品の採用品目割合20%以上)に「30%以上」の評価を加える。
4.一般名処方の推進
後発医薬品の使用を一層促進するとともに、保険薬局における後発医薬品の在庫管理の負担を軽減するため、医師が処方せんを交付する際、後発医薬品のある医薬品について一般名処方が行われた場合の加算を新設する。
なお、一般名処方を行った場合の処方せん料の算定においては、「薬剤料における所定単位当たりの薬価」の計算は、当該規格のうち最も薬価が低いものを用いて計算することとする。
5.処方せん様式の変更
現行の処方せん様式では、「後発医薬品への変更がすべて不可の場合の署名」欄があり、処方医の署名により処方薬すべてについて変更不可となる形式となっているが、個々の医薬品について変更の可否を明示する様式に変更する。
6.後発医薬品の品質確保
「後発医薬品の品質確保」については、これまでも医療関係者や患者の信頼を確保するために、アクションプログラムに基づき、国、後発医薬品メーカーそれぞれが取組を実施しているところであるが、今後は、後発医薬品メーカーによる品質の確保及び向上への取組、情報の発信をより一層促すとともに、これに加え、以下の取組についても実施する。
(1)厚生労働省やPMDA等が中心となり、医療関係者や国民向けの後発医薬品についての科学的見解を作成する。
(2)ジェネリック医薬品品質情報検討会の検討結果について、より積極的に情報提供を図る。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021670.html