matsuda's blog

薬学的管理・指導の充実や調剤報酬の適正化・合理化 中医協で論議

中央社会保険医療協議会の第219回総会は、130日に開催され、診療報酬改定について論議しましたが、個別改定項目において、「質が高く効率的な医療の実現」の「調剤報酬の評価」として、「薬学的管理及び指導の充実」及び「調剤報酬における適正化・合理化」について提示されました。

 

<薬学的管理及び指導の充実>

1 基本的な考え方

1.お薬手帳を通じて薬剤情報を共有することの有用性が再認識されていることから、薬学的管理指導のさらなる質の向上を図るため、薬剤服用歴管理指導料と薬剤情報提供料を包括的に評価する。また、医薬品のさらなる適正使用を図るため、薬歴を活用した残薬確認についても評価する。

 2.特に安全管理が必要な医薬品(ハイリスク薬)が処方されている場合の算定要件を明確化するための見直しを行う。

 3.乳幼児への薬学的管理指導に関しては、現行では、調剤技術料(自家製剤加算及び計量混合加算)の中で調剤から薬学的管理指導に至る内容が評価されているが、点数設定を含め、現行の扱いを整理するとともに、薬剤服用歴管理指導料への加算を新設する。

 

 第2 具体的な内容

1.残薬確認も含めた薬剤服用歴管理指導料の包括的評価の充実

薬剤情報提供料を廃止し、お薬手帳を通じた情報提供を算定要件として薬剤服用歴管理指導料の中で包括的に評価する。

   また、薬歴を活用した残薬確認も薬剤服用歴管理指導料の算定要件として評価を充実する。

 2.特定薬剤管理指導加算(ハイリスク薬)の算定要件の明確化

   特定薬剤管理指導加算の算定要件である、ハイリスク薬が処方された患者に対して行う、その効果や関連副作用の有無等の確認内容等をより明確化する。

 3.乳幼児(6歳未満)への服薬指導の薬学的管理指導における評価

   乳幼児(6歳未満)の処方せんを受け付けた場合であって、乳幼児が安全に、又は容易に服用できるよう、乳幼児への服薬指導を行った場合、現行では調剤料における「特別の乳幼児製剤」の加算の中で評価されているが、この調剤料における加算項目を削除するとともに、薬剤服用歴管理指導料の加算(乳幼児服薬指導加算)を新設する。

 

<調剤報酬における適正化・合理化>

1 基本的な考え方

調剤報酬の中で適正化できる以下の事項について見直しを行う。

1.基準調剤加算の施設基準については、地域医療を応需する「かかりつけ薬局」のあるべき方向性等を考慮し、備蓄医薬品の品目数の見直しを行うとともに、特定の医療機関の診療時間等に応じた開局時間を設定している薬局については施設基準を満たさないこととするよう見直す。

 2.薬学管理料における、調剤情報提供料、服薬情報提供料等については、一連の調剤・薬学的管理指導行為の中で算定されるものであるため、整理・統合する方向で見直しを行う。

 

 第2 具体的な内容

1.基準調剤加算の施設基準の見直し

基準調剤加算の施設基準に、開局時間に係る要件を設けるとともに、備蓄医薬品数は実態等を踏まえた品目数とする。

地域の保険医療機関の通常の診療時間に応じた開局時間となっていることを明記する。

なお、備蓄品目数は、基準調剤加算1は500品目以上を700品目以上に、基準調剤加算2700品目以上を1000品目以上とする。

 2.調剤情報提供料、服薬情報提供料等の見直し

   調剤情報提供料、服薬情報提供料及びその加算である服薬指導情報提供加算については廃止し、これらを統合した評価として、新たに服薬情報等提供料を新設する。

   算定要件として、「処方せん発行保険医療機関から情報提供の求めがあった場合又は薬剤服用歴に基づき患者に対して薬学的管理及び指導を行っている保険薬局が当該患者の服薬等に関する情報提供の必要性を認めた場合において、当該患者の同意を得て、当該患者が現に診療を受けている保険医療機関に対して、服薬状況等を示す情報を文書により提供した場合に月1回に限り算定する」と明記する。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021670.html

2012/01/31(火) 16:51