日本薬剤師会が24年度診療報酬・調剤報酬等の改定で見解表明
日本薬剤師会は、12月22日、「平成24年度診療報酬・調剤報酬等の改定」について見解を表明しました。
21日の財務省と厚生労働省の合意について見解を表明したもので、内容は次の通りです。
昨日、小宮山厚生労働大臣と安住財務大臣による折衝が行われ、平成24年度の診療報酬本体の改定率は+1.38%とすることが合意されました。また、薬価については▲1.26%(薬価ベース▲6.00%)、材料価格については▲0.12%となり、診療報酬本体と薬価改定等を併せた全体の改定率は+0.00%となります。
全体の改定率が0.00%とはいえ、実際には+0.004%との説明がなされており、厳しい財政状況の下でマイナス改定が避けられたことは一定の評価をいたしますが、これまで本会としては、医療提供体制を維持していくためには全体でのプラス改定が不可欠と主張してきたことを考えると、満足できるものではありません。
一方、診療報酬本体のうち、調剤報酬の改定率は+0.46%となり、平成22年度改定に引き続き、医科診療報酬の改定率に対し0.3という比率になりましたが、これは直近の調剤医療費に占める薬剤費の割合を踏まえたものであることを考えると、受け入れざるを得ないものであると理解しています。
しかし、調剤医療費に占める薬剤費の割合は7割超と高いことを考慮すると、1.26%の通常の薬価の引き下げに加えて、長期収載品に限定した特例的な薬価引き下げの方針が示されていることは、保険薬局の経営に与える影響は非常に大きいものがあります。また、ジェネリック医薬品の普及促進への積極的な取り組みに伴って、備蓄医薬品目の増加による負担増もあるほか、在宅医療の推進に向けた体制整備なども不可欠です。調剤報酬・診療報酬の具体的な改定内容につきましては、今後の中医協において議論が精力的に進められていくことになりますが、上述のような状況を十分考慮した改定となることを期待したいと思います。
日本薬剤師会としては、厳しい環境の中にあっても、国民・患者のために適切な医薬品供給体制を確保し、安心・安全な薬物治療の確保に向けて、今後もより一層、薬剤師・保険薬局としての役割を果たすべき努力していく所存です。