社会保障と税の一体改革で意見 日本薬剤師会
日本薬剤師会は、12月20日の記者会見で、15日に明らかにした「社会保障と税の一体改革に対する意見」を発表しました。
意見は、国家的な命題や内包する課題、国民から見た望ましい医療保険制度、完備した制度を維持する上での課題、難解な問題を解決する手段などを示すとともに、次の通り挙げています。
<社会保障と税の一体改革に伴う消費税引き上げによる薬局への影響>
・ 「社会保障・税一体改革成案」の中で、「社会保障給付の規模に見合った安定財源の確保に向け、まずは、2010年代半ばまでに段階的に消費税率(国・地方)を10%まで引き上げ、当面の社会保障改革にかかる安定財源を確保すること」が記載されています。
・ 今後、消費税の引き上げに伴い、保険薬局における「控除対象外消費税」が増加して、薬局経営に大きく影響することが予想されます。
<控除対象外消費税の実態>
・ 調剤報酬は、消費税導入時及び消費税額引き上げ時に、消費税対応分として引き上げが行われていますが、十分補填されているとは言えません。
・ 日本薬剤師会において実施した「薬局の税制関係調査結果」を基に試算すると、1薬局当たり4.18%(490万円)の控除対象外消費税が発生しています。
<保険調剤(社会保険診療報酬)等に係る消費税の非課税制度の見直し>
・ 保険調剤(社会保険診療報酬)等に係る消費税の非課税制度を、ゼロ税率ないし軽減税率による課税制度に改めていただきたい。
・ 課税制度に改めるまでの措置として、設備機器、増改築費用等について、税額控除を認める措置を創設していただきたい。
<一般用医薬品に関する取り扱い>
・ 一般用医薬品は、疾病の治療、症状の改善、生活習慣病等に伴う症状発現の予防、健康の維持・増進等を目的とするものであります。
・ 国民にとって一般用医薬品は医療、健康の保持・増進等のために必要なものであり、消費税の引き上げに伴い、国民が一般用医薬品の購入を躊躇することが考えられます。
・ 国民の健康を守るため、社会的政策配慮から、ゼロ税率課税ないし軽減税率課税に改めることを要望します。