後発医薬品使用促進のための環境整備骨子案を了承 中医協
中央社会保険医療協議会の第212回総会は、12月14日に開催され、後発医薬品の使用促進について協議し、「後発医薬品の使用促進のための環境整備の骨子」(案)を了承しました。
骨子案では、「基本的な考え方」を示すとともに、具体的内容を次の通りまとめています。
1 保険薬局の調剤基本料における後発医薬品調剤体制加算の見直し
(1) 現在、後発医薬品調剤体制加算として、後発医薬品の使用割合(数量ベース)が20%以上、25%以上及び30%以上の場合に段階的な加算を適用しているところである。
検証部会の調査結果では、保険薬局における使用割合は増加している一方で、当該加算を算定している保険薬局は約半数にとどまり、対応が二極化していることにかんがみ、当該加算の要件を22%以上、30%以上および35%以上に改めるとともに、評価については、軽重をつけることとする。
(2) なお、現状、「経腸成分栄養剤」及び「特殊ミルク製剤」は、1回の使用量と薬価基準上の規格単位との差が大きいため、数量が大きく算出されること、かつ後発医薬品が存在しないことから、後発医薬品の使用割合(数量ベース)を算出する際に除外しているところであるが、同様の観点から、「漢方製剤」及び「生薬」についても除外することとする。
2 薬剤情報提供文書を活用した後発医薬品に関する情報提供
ジェネリック医薬品軽減額通知には一定の効果がみられているものの、検証部会の調査結果では実際に受け取っている患者はまだ少ない。
また、保険薬局で後発医薬品への変更を希望していながら、「後発医薬品がない薬であること」や「既に後発医薬品が処方されていること」を知らない場合がある。
このため、後発医薬品に関する情報提供を充実させる手段として、保険薬局での調剤に際し患者に渡される「薬剤情報提供文書」を活用して後発医薬品に関する情報(後発医薬品の有無、価格、在庫情報)を提供した場合に、薬学管理料の中で評価を行うこととする。
3 医療機関における後発医薬品を積極的に使用する体制の評価
現在、後発医薬品使用体制加算として、医療機関の薬剤部門が後発医薬品の使用を促進するための体制を整えるとともに、後発医薬品の採用品目数の割合が20%以上の医療機関について、診療報酬上の評価を行っているところである。
医療機関における使用を更に促進するためには、医療関係者や患者の信頼を確保することが重要であり、「後発医薬品の品質確保」について、これまでのアクションプログラムに基づく取組に加え、更なる取組を行う必要がある。
その上で、このような取組と併せて、当該加算の要件(採用品目数の割合20%以上)に「30%以上」の評価を加えることとする。
4 一般名処方の推進及び処方せん様式の変更等
(1) 検証部会の調査結果では、保険薬局が後発医薬品への変更を進めるための要件として「一般名処方が普及すること」との回答が最も多かった。保険薬局における後発医薬品の在庫管理の負担を軽減するため、医師が処方せんを交付する場合には、一般名による処方を行うことを推進することとする。
(2) なお、一般名処方を行った場合の処方せん料の算定においては、「薬剤料における所定単位当たりの薬価」の計算は、当該規格のうち最も薬価が低いものを用いて計算することとする。
(3) 現行の処方せん様式では、「後発医薬品への変更がすべて不可の場合の署名」欄があり、処方医の署名により処方薬すべてについて変更不可となる形式となっているが、個々の医薬品について変更の可否を明示する様式に変更することとする。
5 後発医薬品の品質確保
「後発医薬品の品質確保」については、これまでも医療関係者や患者の信頼を確保するために、アクションプログラムに基づき、国、後発医薬品メーカーそれぞれが取組を実施しているところであるが、これに加え、以下の取組についても実施する。
① 厚生労働省やPMDA等が中心となり、医療関係者や国民向けの後発医薬品についての科学的見解を作成する(その中で、例えば、先発医薬品と後発医薬品の「賦形剤」は異なること等について説明する)。
② ジェネリック医薬品品質情報検討会の検討結果について、より積極的に情報提供を図る。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001xgcc.html