医療経済実態調査結果報告で見解 診療側委員が中医協で
第207回中央社会保険医療協議会総会は、11月18日に開催されましたが、第18回医療経済実態調査(医療機関等調査)の結果報告に関する見解が示され、2号委員は「これまでの6月単月・非定点調査の信頼性が否定された」とし、「経営が依然として不安定であることが示された」と見解を発表しました。2号委員は診療側、つまり医師・歯科医師・薬剤師を代表する委員で、見解は6名の連名となっています。
見解では、
第18回医療経済実態調査では、二号委員がかねてより指摘してきた、6月単月調査(非定点)データの正確性に対する疑義から、直近2事業年度の決算データの調査(定点)が追加されることになった。今回の結果を見ると、やはり6月単月データと年間決算データの乖離を確認することができ、これまでの6月単月・非定点調査の信頼性が否定されたと言える。
とし、
今回の年間決算データ(定点)の結果から、医療機関の経営状態を示す損益率を一般病院、一般診療所、歯科診療所、保険薬局のそれぞれについて示すほか、職種別の給与年(度)額で民間病院の医師の平均給与が減少していることを指摘するとともに、各種報道機関が信頼性に欠ける従来型の6月単月データを採用した報道や開業医と勤務医の給与を単純比較した報道を行うなど、「依然として恣意的な報道を繰り返しており、極めて遺憾である」と批判した上で、
以上見てきたように、今回の医療経済実態調査からは、10年振りのプラス改定となった前回診療報酬改定を受けて医業収益(保険薬局は収益)にある程度の伸びが見られたものの、これまでの相次ぐ診療報酬のマイナス改定によって経営状態が大きく悪化したところから少しばかりの改善を見せたに過ぎない。しかも、国民のための質の高い医療の提供にとって不可欠な設備投資等を行い、さらに勤務医の処遇改善等を進めるためには、一定の黒字幅を持続的に確保することが必要であること等も考えると、経営は依然として不安定であることが示されたと考える。
としています。
※保険薬局については、費用の7割以上を医薬品費が占めるという特有の収支構造に加え、処方日数の長期化傾向の影響を受けて、医薬品費等の伸び率が収益の伸び率を上回ってしまっているために、損益率は若干悪化もしくは横ばいの状態が続いており、依然として改善している様子は見えない。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001vfw2.html