漢方薬処方実態調査発表 日本漢方生薬製剤協会
日本漢方生薬製剤協会は、漢方薬の処方実態について調査を行い、その結果を基に最新データを作成。11月14日、ホームページに「漢方処方の実態調査」として掲載しました。
同協会は、日本国内で生薬を原料とした漢方製剤・生薬製剤の製造業者(輸入販売業を含む)と販売業者並びに生薬原料関係者によって、昭和58年(1983)7月21日に設立されました。会員相互の密接な連携のもと、高品質な漢方製剤、生薬製剤および生薬を継続的に安定供給し、その役割と機能を高めることによって、漢方製剤、生薬製剤および生薬の普及、定着と発展を図り、医薬品業界の発展と国民の健康に貢献することを目的として活動しており、現在会員は75社です。
2008年にも同様の調査を実施していますが、その後、漢方薬治療の科学的根拠(エビデンス)がより一層解明され、漢方薬処方量も増加しています。このような環境のもと、漢方薬処方の実態を把握するとともに、漢方薬へのニーズや最新の評価を明らかにすることにより、今後の漢方薬処方の普及に関する継続的な最新データを得るため調査を実施しました。
調査期間は8月30日~9月5日、調査地域は全国で、医師(歯科、眼科、美容外科、理学診療科等を除く)を対象にインターネット調査により実施しました。調査機関は株式会社アンテリオです。
有効回答は627で、現在漢方薬を処方している医師は約90%にのぼり、その漢方薬処方実態は多くの指標で前回調査結果より向上していました。主な指標は下記の通りで、詳細は協会ホームページの実態調査からSummary Reportを参照できます。
● 漢方製剤を現在使用している:89.0%(前回83.5%)
● 漢方製剤を第一選択薬とする場合がある:59.0%(前回52.7%)
● 治療効果が高い:50.2%(前回43.4%)
● 満足度が高い:53.6%(前回49.0%)
● 効果が不十分:23.2%(前回32.7%)
● エビデンスが十分でない:34.8%(前回39.8%)