東日本大震災時におけるお薬手帳の活用 日本薬剤師会が事例収集
日本薬剤師会は、このほど、各都道府県薬剤師会会長に対して、「東日本大震災時におけるお薬手帳の活用に関する事例収集」について依頼の文書を発しました。
東日本大震災時においては、お薬手帳による患者・医療関係者の情報共有により、スムーズかつ適切に医薬品が供給される場面が多々見受けられましたが、日本薬剤師会では、そうした事例を収集し普及・啓発活動を行うことにより、お薬手帳の活用を一層推進していきたいと考えています。
事例収集の対象は、被災地で支援活動を行った薬剤師ほか医療・保健関係者で、11月末締め切りで、活用されていた事実を具体的に記入するだけでなく、どのような場面でどのような点が有効であったか、また期待できたか等まで記入するよう要請しています。
例として次の通り示されています。
・ 避難所併設の救護所で診療に当たっていた。薬剤師が避難所で、慢性疾患を持つ被災者にそれまでどんな薬を飲んでいたかを聞き取り、お薬手帳に薬剤名や薬剤師が状況判断した内容などを記載していた。そのお薬手帳を持って受診されたので、過去服用薬を参照しスムーズに処方することができ、効率的な診療が可能となった。(医師)
・ 救護所での緊急的な投薬内容から避難所で配られたOTC医薬品の情報までがお薬手帳に記載されていたので、被災後の医薬品の使用状況がすぐに把握でき、診療の参考となった。(医師)
・ 他県から何ヵ所もの避難所を移ってこられた高齢の女性。健康状態の聞き取りの際、服用薬情報があることがとても役立った。また、お薬手帳によって服用薬を自己管理することができ、避難所を移り受診先が変わっても薬の情報が確実に伝わるので、安心して治療を受けることができるとの声を聞いた。(保健師)
2011/10/18(火) 14:56