厚生労働省が21年度国民医療費の概要を発表
厚生労働省は、9月29日、平成21年度国民医療費の概要を発表しました。
平成21年度の国民医療費は36兆67億円で、前年度の34兆8084億円に比べて1兆1983億円、3.4%の増加となっています。人口一人当たりの国民医療費は28万2400円で、前年度の27万2600円に比べて3.6%増加しています。国内総生産(GDP)に対する比率は7.60%(前年度7.07%)、国民所得(NI)に対する比率は10.61%(前年度9.89%)となっています。
「国民医療費」は、当該年度内の医療機関等における保険診療の対象となり得る傷病の治療に要した費用を推計したもので、この費用には、医科診療や歯科診療にかかる診療費、薬局調剤医療費、入院時食事・生活医療費、訪問看護医療費等が含まれます。保険診療の対象とならない評価療養(先進医療(高度医療を含む)等)、選定療養(入院時室料差額分、歯科差額分等)及び不妊治療における生殖補助医療などに要した費用は含みません。また、傷病の治療費に限っているため、(1)正常な妊娠・分娩に要する費用、(2)健康の維持・増進を目的とした健康診断・予防接種等に要する費用、(3)固定した身体障害のために必要とする義眼や義肢等の費用も含みません。
制度区分別にみますと、医療保険等給付分は17兆3368億円(構成割合48.1%)、後期高齢者医療給付分は11兆307億円(30.6%)、公費負担医療給付分は2兆4601億円(6.8%)となっています。また、患者負担分は4兆9928億円(13.9%)です。対前年度増減率をみますと、公費負担医療給付分は5.5%の増加、医療保険等給付分は2.3%の増加、後期高齢者医療給付分は5.8%の増加、患者負担分は1.6%の増加、軽減特例措置は2.8%の増加となっています。
財源別にみますと、公費分は13兆4933億円(37.5%)、うち国庫は9兆1271億円(25.3%)、地方は4兆3662億円(12.1%)となっています。保険料分は17兆5032億円(48.6%)、うち事業主は7兆3211億円(20.3%)、被保険者は10兆1821億円(28.3%)です。また、その他は5兆102億円(13.9%)、うち患者負担は4兆9928億円(13.9%)となっています。
診療種類別にみますと、一般診療医療費は26兆7425億円(74.3%)、しおのうち入院医療費は13兆2602億円(36.8%)、入院外医療費は13兆4823億円(37.4%)となっています。また、歯科診療医療費は2兆5587億円(7.1%)、薬局調剤医療費は5兆8228億円(16.2%)、入院時食事・生活医療費は8161億円(2.3%)となっています。対前年度増減率をみますと、一般診療医療費は3.0%の増加、薬局調剤医療費は7.9%の増加となっています。
年齢階級別にみますと、0~14歳は2兆2595億円(6.3%)、15~44歳は4兆8951億円(13.6%)、45~64歳は8兆9042億円(24.7%)、65歳以上は19兆9479億円(55.4%)となっています。人口一人当たり国民医療費をみますと、65歳未満は16万3000円、65歳以上は68万7700円となっており、そのうち一般診療医療費では、65歳未満が11万6800円、65歳以上が52万5500円です。歯科診療医療費では、65歳未満が1万7200円、65歳以上が2万9800円、薬局調剤医療費では、65歳未満が2万6300円、65歳以上が11万1300円となっています。
国民医療費を性、年齢階級別にみますと、0~14歳の男は1兆2460億円(7.2%)、女は1兆135億円(5.4%)、15~44歳の男は2兆2419億円(13.0%)、女は2兆6532億円(14.2%)、45~64歳の男は4兆6977億円(27.1%)、女は4兆2064億円(22.5%)、65歳以上の男は9兆1227億円(52.7%)、女は10兆8253億円(57.9%)となっています。人口一人当たり国民医療費をみますと、65歳未満の男は16万4600円、女は16万1400円、65歳以上の男は73万5800円、女は65万1900円です。
一般診療医療費を主傷病による傷病分類別にみますと、「循環器系の疾患」の5兆5394億円(20.7%)が最も多く、次いで「新生物」の3兆3993億円(12.7%)、「呼吸器系の疾患」の2兆884億円(7.8%)、「筋骨格系及び結合組織の疾患」の1兆9987億円(7.5%)、「腎尿路生殖器系の疾患」の1兆9870億円(7.4%)となっています。65歳未満では、「新生物」の1兆4164億円(12.3%)が最も多く、65歳以上では「循環器系の疾患」の4兆1796億円(27.4%)が最も多くなっています。また、男女別にみますと、男では「循環器系の疾患」、「新生物」、「腎尿路生殖系の疾患」が多く、女では「循環器系の疾患」、「新生物」、「筋骨格系及び結合組織の疾患」が多くなっています。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/09/index.html