matsuda's blog

後発医薬品の使用状況調査結果を報告 中医協総会

中央社会保険医療協議会の第196回総会は、9月7日に開催され、診療報酬改定結果検証部会からの報告を了承。「後発医薬品の使用状況調査」の結果が報告されました。

後発医薬品の使用状況調査は、保険薬局における「後発医薬品への変更不可」とされた処方せんの受付状況や後発医薬品の患者への説明・調剤の状況、医療機関における後発医薬品の使用状況、医療機関・医師、保険薬局及び患者の後発医薬品使用についての意識、ジェネリック医薬品希望カードの利用状況、後発医薬品の使用が進まない理由等を把握し、平成22年度診療報酬改定の結果を検証することを目的として実施しました。

調査方法及び調査の概要は、施設調査は、全国の施設の中から無作為抽出した保険薬局1,500施設、診療所2,000施設、病院1,500施設に対して、平成229月に調査票を配布。医師調査は、調査対象となった病院に勤務し、外来診療を担当する、診療科の異なる2名の医師を調査対象とし、病院を通じて調査票を配布。患者調査は、調査対象となった保険薬局に調査日に来局した患者、1施設につき最大4名に対し、保険薬局を通じて調査票を配布し、各患者から郵送により直接回収しました。

回収の状況は、①保険薬局:回収数870施設(回収率58.0%)、処方せん枚数12,915(558薬局分)、②診療所:回収数662施設(回収率33.1%)、③病院:回収数574施設(回収率38.3%)、④医師:回収数708人、⑤患者:回収数1,788人です。

主な結果として<保険薬局調査>、<医療機関・医師調査>、<患者調査>が報告され、検証部会としての評価も加えられていますが、

保険薬局調査では、

     後発医薬品調剤体制加算算定状況:「算定していない」が46.8%、加算3(17)21.5%、加算1(6)17.4%、加算2(13)13.7%

     後発医薬品の調剤率の平均値:平成221月から4月までの間、処方せんベースで43.3%から45.8%(対前年比2.5ポイント増)、数量ベースで19.6%から22.3%(対前年比2.7ポイント増)と伸びているが、4月以降1%以内での変動である。

     「後発医薬品への変更不可」欄に処方医の署名等が9割以上ある医療機関数は処方せん発行機関数全体の17.5%であった。

     「後発医薬品への変更不可」欄に処方医の署名等がない処方せん(141,712)のうち、「後発医薬品に変更しなかった処方せん」は55.3%で、「いずれの先発品にも後発医薬品が薬価収載されておらず、後発医薬品に変更できなかった処方せん」は10.4%、「患者が希望しなかったためすべて後発医薬品に変更できなかった処方せん」は25.6%であった。

     後発医薬品の説明・調剤に関する考え方について、24.0%の薬局が「あまり積極的には取り組んでいない」と回答(21年度調査は33.2%)し、その理由としては「近隣の医療機関が後発医薬品の使用に消極的」が54.1%、「後発医薬品の備蓄増に伴う在庫管理の負担が大きい」が48.3%(21年度68.1%)、「後発医薬品の安定供給体制に不安がある」が33.0%、「後発医薬品の品質に疑問がある」が30.1%等となっている。

     後発医薬品についての説明を行ったにも関わらず、患者が後発医薬品の使用を希望しなかった理由として、28.0%の薬局が「これまで使っていた薬(ラベルの色や剤形など)を変えることに抵抗があったから」、18.4%の薬局が「薬剤料等(患者自己負担額)の差額が小さいから」と回答している。

     備蓄医薬品の品目数は、医薬品の全品目の対前年増加率(7.4%)と比較して、後発医薬品の品目の増加率(26.9%)は大きくなっているが、依然として全医薬品の品目に対する後発医薬品の割合葉17.0%と低い。

     在庫金額は、医薬品の全品目の対前年増加率が8.0%であるのに対し、後発医薬品の増加率は27.1%と大きくなっており、全医薬品の在庫金額に対する後発医薬品の割合は10.0%である。一方、廃棄額については、医薬品の全品目の対前年増加率が0.3%であるのに対し、後発医薬品の増加率は3.6%となっており、全医薬品の廃棄額に対する後発医薬品の割合は23.9%である。

     ジェネリック医薬品希望カードの認知度は、96.0%が「知っている」と回答しており、患者から提示された経験は、82.5%が「提示されたことがある」と回答している。

     今後、薬局の立場として後発医薬品への変更を進めるための要件としては、「後発医薬品に対する患者の理解」が55.2%、「厚生労働省による、医師や薬剤師に対する後発医薬品の品質保証が十分であることの周知徹底」が52.5%、「後発医薬品メーカーによる安定供給体制の確保」が52.0%、「後発医薬品に関する説明の手間や後発医薬品の調剤による薬剤料の減などを考慮した調剤報酬上の一層の評価」が46.4%等となっている。

 などが報告されています。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001mxqf-att/2r9852000001o1do.pdf

 

2011/09/09(金) 11:19