奈良県が11月9日に「漢方薬日中シンポジウム」開催
奈良県は、8月4日、「漢方薬日中シンポジウム」を開催することを発表しました。
これは、中国での生薬生産が盛んな甘粛省と協力し、日中の医療の場で用いられている漢方薬(中医学)のことや、奈良と漢方薬や薬草との歴史等について紹介し、これからの漢方薬のあり方や薬草の安定供給について議論するもので、「漢方薬 温故創新 これからの漢方薬のあり方を語る」をテーマに、11月9日に奈良県文化会館国際ホールほかで開催されます。
奈良は、ちょうど1400年前の西暦611年に推古天皇が宇陀地方で薬狩りをしたという記録が日本書紀にあり、日本の薬の発祥の地と言えます。
これらの流れから、草根木皮を用いた生薬が広く一般の方々に施薬されてきましたが、これらは、奈良が優秀な薬草の自生地であったことの証とも言え、奈良の薬草が「大和もの」と呼ばれ珍重されてきた流れがあります。
一方、甘粛省においても、薬草栽培は主要な産業の一つとして位置付けられており、当帰、党参、黄蓍(オウギ)、甘草、大黄、半夏、貝母など多くの優良な生薬を生産しています。
このような中で、薬草の歴史、薬草の功績、薬草を未来に繋げるための方策などについて、日中の関係者が一堂に会してシンポジウムを行い議論するものです。
特に、医師の7割以上が日常診療に漢方薬を用いていると言われていますが、この国民の医療を支えている漢方薬を未来においても安定的に患者に提供できるようにするため、原料生薬の安定供給に向けたスタートを切る機会とすることとしています。
コーディネーターは渡辺賢治慶應義塾大学東洋医学講座准教授(漢方医学センター診療部長)で、講演者は米田該典元大阪大学大学院薬学研究科助教授(医学系研究科医学史料室)と渡辺氏です。
◇ 特別講演「奈良のくすり風土記」:米田該典氏(日本東洋医学会元副会長)
◇ 甘粛省特別講演
◇ パネルディスカッション「漢方薬 温故創新 これからの漢方薬のあり方を語る」:渡辺賢治氏ほか
関連イベントとして、「奈良と薬草の歴史展」、「身近な薬草の写真・絵画」表彰式および展覧会、企業展示会、医食同源体験、薬草足湯体験も予定されています。
http://www3.pref.nara.jp/hodo/dd.aspx?itemid=38321#itemid38321
http://www.pref.nara.jp/dd_aspx_itemid-69189.htm#itemid69189