フランスにおけるピオグリタゾン製剤回収で発表 武田薬品工業
武田薬品工業は、7月11日、「フランスにおけるピオグリタゾン製剤の市場回収について-EMAはピオグリタゾン製剤のベネフィット・リスクを継続協議」を発表しました。発表は医療関係者向けと患者向けに分かれています。ピオグリタゾン製剤は、アクトス錠15・30、アクトスOD錠15・30、メタクト配合錠LD・HD。ソニアス配合錠LD・HDで、発表要旨は以下の通りです。
<医療関係者向け>
弊社の100%子会社であるラボラトワール・タケダ(本社フランス)は、欧州時間7月11日より、フランス保健製品衛生安全庁(Afssaps)によるピオグリタゾン塩酸塩を含有する製剤の回収決定に伴い、ActosおよびCompetactの市場回収を開始します。
今回のフランスでの市場回収指示は、同国で独自に実施された疫学調査から得られた、ピオグリタゾン製剤の投与により、膀胱癌の発生リスクがわずかに上昇するというデータに基づくものです。
一方、欧州医薬品庁(EMA)は、EU法令に基づくピオグリタゾン製剤の再評価を2011年3月に開始しており、欧州時間6月23日、欧州医薬品評価委員会(CHMP)による2型糖尿病治療に対するピオグリタゾン製剤のベネフィットとリスクに関する検討を継続し、今月開催されるCHMP月次会議において最終的な意見を採択することを公表しています。従いまして、現時点までにEMAからはピオグリタゾン製剤について、回収あるいは添付文書の変更等の指示は出されていません。なお、ActosおよびCompetactは、それぞれ2000年10月、2006年7月に、欧州委員会から欧州連合の全加盟国を対象とした販売許可を取得しています。
弊社は、2型糖尿病治療におけるピオグリタゾン製剤の有用性に自信を持っており、これまでと同様、ピオグリタゾンを含む全ての弊社製品に関する安全性と忍容性の評価を継続するとともに、患者さんの安全性を最優先に考え、EMAならびに各国の規制当局にあらゆるデータを提供し、適切に対応してまいります。また、弊社は、今回のフランスにおける措置に対しては、今後のCHMPの検討結果もふまえて、あらゆる方向から対応を検討してまいります。
なお、日本においては、6月24日付で、ピオグリタゾンを含有する製品の添付文書中の膀胱癌に関する「使用上の注意」を一部改訂し、7月1日付で承認されたリオベル配合錠についても同じ内容を記載しています。また、米国においては、同製剤の添付文書の一部改訂についてもFDAと協議中です。
<患者向け>
患者様に服用いただいております糖尿病治療薬「アクトス」、「メタクト」、「ソニアス」に含まれる成分(ピオグリタゾン塩酸塩)につきまして、フランス保健製品衛生安全庁(Afssaps)の指示に従い、弊社フランスの子会社は、現地時間7月11日よりピオグリタゾン塩酸塩を含む製剤の市場回収を開始しました。
この措置は、安全性に関する新たな事実に基づくものではありません。フランスで実施された疫学調査(本年6月9日公表)から得られた、ピオグリタゾン製剤の投与により、膀胱癌の発生リスクがわずかに上昇するというデータに基づくものです。
欧州医薬品庁(EMA)は、2型糖尿病治療に対するピオグリタゾン製剤のベネフィットとリスクに関する検討を継続中であり、7月下旬までに最終的な意見を採択することを公表しています。
また、日本においては、6月24日付で、ピオグリタゾンを含有する製品(弊社製品:アクトス、ソニアス、メタクト)の添付文書中の膀胱癌に関する「使用上の注意」を一部改訂しています。
ご不安、ご不明な点については、主治医の先生とご相談いただき、くれぐれもご自身の判断で薬の服用を中止しないようお願い申し上げます。
なにとぞ、ご理解賜りますようお願い申し上げます。