タイ製のやせ薬に対する注意喚起 厚生労働省と東京都
東京都は、7月7日、タイ製のやせ薬による死亡事例(疑い)の発生について発表し、「携帯サイトを使用して購入した『MDクリニックダイエット』と称される製品を服用したことが原因と疑われる死亡事例が発生しました。このような製品を服用すると重大な健康被害が起きる恐れがあるので、服用している方は直ちに中止し、健康被害が疑われる場合には、速やかに医療機関を受診してください」とアピールしています。これを受けて厚生労働省では、医薬食品局監視指導・麻薬対策課長名で各都道府県・保健所設置市・特別区の衛生主管部(局)長宛に注意喚起を通知しました。
これは、「MDクリニックダイエット」、「ホスピタルダイエット」などと称されるタイ製のやせ薬で、厚生労働省では平成21年10月23日付けで一般消費者への注意喚起の徹底及び無承認無許可医薬品の取締りの更なる強化などを通知しましたが、7日、東京都から「MDクリニックダイエット」と称されるタイ製のやせ薬から医薬品成分が検出され、同製品を使用していた20歳代女性の死亡事故が報告されました。女性の体内からは、国内の医療機関が処方した精神神経用剤が中毒量検出されているものの、同製品と死亡との因果関係も完全には否定できないとされています。
「MDクリニックダイエット」、「ホスピタルダイエット」などと称されるタイ製のやせ薬については、これまでも死亡例を含む健康被害が多数報告されており、一般消費者への更なる注意喚起を行う必要があることから、啓発資料を作成し、厚生労働省ホームページに掲載しました。
なお、東京都の発表の概要は次の通りです。
【発見の経緯】
「MDクリニックダイエット」と称される製品を服用し、死亡した女性の家族から相談があり、都で当該製品の任意提出を受け、健康安全研究センターにて試験検査を行ったところ、食欲抑制薬等の医薬品成分が検出されたことが本日判明しました。
当該製品を服用していた女性は、本年4月に死亡(薬物中毒による溺死)していますが、当該製品と死亡との因果関係を完全に否定できません。
MDクリニックダイエット
ダイエットを目的とし、海外(タイ)の病院が処方する複数の医薬品から構成される製品群の総称です。「ホスピタルダイエット」とも呼ばれています。日本では、インターネット等の個人輸入代行サイトを経由し、主に個人輸入により入手されています。
過去の発表において、各医薬品は食欲抑制薬、向精神薬、甲状腺末、便秘薬等を含有することが判明しており、複数の自治体において、平成14年以降、死亡事例(疑い)4例を含む15例の健康被害事例(疑い)が公表されています。
死亡した女性は20歳代で、MDクリニックダイエットを本年3月上旬にタイの携帯サイトを使用して個人輸入により購入し、死亡の約2週間前から国内の医療機関で処方された医薬品と併用していた模様。
薬物中毒について
女性から検出された薬物は、国内の医療機関で処方された精神神経用剤の成分との報告を受けていますが、死亡の約2週間前からMDクリニックダイエットを併用していたこと等も考慮すると、MDクリニックダイエットと死亡との因果関係を完全に否定できません。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001hzxy.html