東電福島第一原発内の医療体制強化
厚生労働省は、6月30日、東京電力株式会社福島第一原子力発電所内の医療体制の強化について発表しました。
これは、東電福島第一原発内に、新たな医療設備の設置、医師の複数配置化により、医療体制が強化されることになったもので、現在、東電福島第一原発内においては、事故の収束に向け、多くの労働者が作業に従事していますが、第一原発に常時医師を配置する体制を整備する観点から、本年5月に、学校法人産業医科大学と独立行政法人労働者健康福祉機構(全国30ヶ所の労災病院を運営)に医師の派遣を要請しました。
このたび、東京電力が第一原発内に医療施設を新たに設置し、その施設に、7月1日より緊急被爆医療等の専門医を中心とする医療チームが新たに派遣されることになりました。
これにより、熱中症の多発が危惧される7月から9月の間、医師の複数配置が実現します。
内容は次の通りです。
1.新たな医療チームの派遣
(1) 派遣の要請等
・ 厚労省と文科省が連携し、国として派遣元に要請する。
・ 広島大学に「東電福島第一原発救急医療体制ネットワーク」を設置し派遣計画等の調整を行う。
(2) 活動の概要
・ 緊急被爆医療等の専門医、看護師(男性)、放射線管理の担当者からなるチームにより構成する。
・ 2泊48時間勤務で交代し、従来の医師派遣と併せて、複数の医師の24時間体制を実現する。
・ 被爆傷病者、熱中症、外傷、心疾患、脳血管疾患等の初期医療を担当する。
(3) 派遣事業の評価
・ ネットワークを中心に関係者が参集し、一定期間ごとに事業評価を行いながら改善を進めていく。
2.従来の医師派遣との役割分担
(1) 新たな医療チーム
・ 新たに設置された医療施設で、緊急的な対応を要する疾病等への初期医療
(2) 従来からの派遣医師(産業医大と労災病院からの派遣)
・ 免震重要棟で、一般的な疾病に対する医療や健診関連の業務。
※ 新たな医療施設は5,6号機サービス建屋の1階を改修し、治療用ベッドや救急医療用の器材を備える。
3.国の役割
引き続き、医師等の確保や搬送体制の強化について、関係機関への要請や調整を行っていく。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001he0m.html