無承認無許可医薬品等買上調査 厚生労働省が22年度調査結果発表
厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課は、5月30日、平成22年度「無承認無許可医薬品等買上調査」の結果を発表しました。
いわゆる健康食品や違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)の疑いがある製品について、厚生労働省の委託事業により、各都道府県で購入し、国立医薬品食品衛生研究所で分析を行った結果、233製品中、34製品から医薬品成分や指定薬物が検出されています。
発表のポイントは次の通りで、詳細は厚生労働省ホームページで確認できます。
1.結果概要
(1) いわゆる健康食品
14製品から7種の医薬品成分を検出
<検出された成分>
○ 強壮効果を目的として使用される製品から検出された成分
・ シルデナフィル、シルデナフィル類似構造成分
・ ヨヒンビン
○ 痩身効果を目的として使用される製品から検出された成分
・ センナ(実、葉)
(2) 違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)
20製品から8種類の指定薬物を検出(購入時に指定薬物でなかった19製品を含む)
(指定薬物:中枢神経系への幻覚等の作用を有する可能性が高く、保健衛生上の危害が発生する恐れがあるとして厚生労働大臣が指定する成分)
2.国民への注意喚起
○ 現在のところ、国内においてこれらの製品による健康被害事例は報告されていませんが、医薬品成分による血圧低下、頭痛、動悸など、指定薬物による麻薬、覚せい剤等と同様の健康被害などを生じるおそれがあります。
○ 関係都道府県が、取り扱い業者等に対する販売停止・回収等を行わせるなどの必要な措置を行っているところですが、製品をお持ちの方は直ちに使用を中止するとともに、健康被害が疑われる場合には医療機関を受診して下さい。
いわゆる健康食品については、医薬品成分を含有する製品の発見事例や医薬品成分に起因する健康被害事例が報告されています。また、違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)については、その乱用による健康被害や麻薬、覚せい剤等の乱用の契機となることが懸念されています。
このため、厚生労働省としては、これら製品の流通実態の把握と取締りを行うために、市場流通品を購入し、分析を行う「無承認無許可医薬品等買上調査」を平成13年度から実施しています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001cvry.html
なお、この件に関しては、同日に奈良県でも独自に発表を行い、ホームページに掲載、詳細を明らかにしています。
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厚生労働省が行った平成22年度無承認無許可医薬品等買上調査結果において、本県が買い上げた強壮用健康食品4製品中3製品から医薬品の成分が検出されたことを受け、県内の販売業者の指導を行いましたのでお知らせします。
当該販売業者(1社、3店舗)は、既に販売を中止しておりますが、販売業者の記録によると、125箱の製品が既に販売されていたことから、製品の回収と無承認・無許可医薬品による健康被害の実態を把握するため、店頭ポスターやチラシで呼びかけを行っています。
なお、今のところ、当該製品を購入した方々の状況や健康被害の報告は受けておりません。
http://www3.pref.nara.jp/hodo/dd.aspx?itemid=37706#moduleid22837