matsuda's blog

イレッサ訴訟問題検証チーム報告書 厚生労働省が公表

 厚生労働省は、524日、「イレッサ訴訟問題検証チーム調査報告書」を公表しました。

 厚生労働省では、33日付でイレッサ訴訟問題検証チームを立ち上げ、イレッサ訴訟の和解勧告に関する学会の見解公表の経緯について、事実関係の調査を進めてきましたが、その報告書を24日付で厚生労働大臣に提出しました。

 イレッサ訴訟は、平成2317日、東京・大阪地裁から和解勧告があり、1月下旬以降、複数の学会等が、和解勧告について見解を公表しました。これについて、224日の衆議院予算委員会で大臣が事実関係を調査したい旨の答弁を行い。33日、大臣指示により、事実関係を調査するため、検証チームが設置されました。

 検証チームメンバーは、主査が小林正夫厚生労働大臣政務官、副主査が柳志郎弁護士と足立信也参議院議員(前厚生労働大臣政務官)で、厚生労働大臣官房が事務局となり、33日から524日までの間に、計15回の会合を開催。厚生労働省関係者13名、学会関係者7名から延べ41回のヒヤリングを実施しました。

 その結果を報告書として纏めたもので、結論(概要)は次の通りとなっています。

     厚生労働省の職員が、複数の学会・個人に対して、関連資料や自ら作成した声明文案を提供するなどして、受諾に慎重な見解の表明を要請した、という事実はあった。

     学会等に見解の公表を求めることは、国民に対し、多様な意見が存在することを示し、かつ、厚生労働省の従前の施策に対する信頼感を高めようとするもので、通常の職務の執行の範囲内であると考える。また、働きかけた結果、公表された見解自体に不当な影響力を及ぼしたとは認められない。

     しかし、本来、学会で独自に作成するべき声明文案まで提供するのは、過剰なサービスであったと言わざるを得ない。また、声明文案の提供は、各学会が独立して行うべき内部意思決定過程に介入したことになるのではないかと考えられる。

     よって、一部の学会や個人に対し、自ら作成した声明文案を提供して見解の表明を要請したことについては、公務員としては行き過ぎた行為であったといわざるを得ない。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001dblf.html

 

2011/05/25(水) 12:10