matsuda's blog

薬局・薬剤師の薬事法違反で見解発表 日本薬剤師会

日本薬剤師会は、薬事法違反により、会員の勤務する薬局が業務停止並びに司法当局へ告発される事例が発生したことを受けて、421日、「薬事法違反に係る薬局・薬剤師に対する処分について」の見解を公表し、都道府県薬剤師会長に通知しました。同日の定例記者会見で明らかにしています。

日本薬剤師会では、「今回発覚した両事例とも、改正薬事法の求める趣旨が十分に理解されていないばかりか、薬剤師の基本的な姿勢をも疑問視される不法な行為が厳しく指摘された事例であり、国民の医薬品使用の安全・安心を担保し、医薬品の適正使用を確保する役割を担う薬剤師に対する、国民の期待を著しく損なう行為と認識しております。本会としては、今後こうした不法な行為が二度と発生しないよう、広く調剤や医薬品販売に従事する薬剤師に対して、機会を捉えて改正法の趣旨の周知徹底を図ると同時に、再発防止に向けた更なる指導を強化する所存であります」として、会員に対する指導等を要請しています。

公表された見解は次の通りです。

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平成23419日、大阪府健康医療部薬務課は同府枚方警察署に対して、薬事法第36条の5、同法第36条の6、同法第8条並びに同法第72条の4および関連する施行規則等に違反した、大阪府枚方市内で開設する薬局を告発しました。

具体的な告発の事由は、薬局の管理者(管理薬剤師)の業務怠慢(開設者に対する適切な意見具申の不履行)と同時に、医薬品に対する新たな販売制度に規定されている医薬品販売に対する違反行為(第一類医薬品並びに医療用医薬品等を郵便等により販売を行っていた、郵便等販売が可能な医薬品の範囲を逸脱した販売を行っていた)に対して、規制当局からの改善命令に従わずに、第一類医薬品および医療用医薬品を郵便等により販売を継続したためとされています。

 一方、これに先立ち、平成2344日には、兵庫県洲本市の薬局に対し、平成2211月中旬より約2か月間にわたって、薬剤師不在のまま非薬剤師である事務員により、処方せん調剤を行わせたとして、洲本市健康福祉事務所が業務停止18日間の処分を行いました。

両事案の薬局はともに、それぞれ所管する行政当局の立ち入り検査を受けて薬事法違反が発覚した事例であり、両薬局とも開設者並びに管理薬剤師は本会の会員であります。

 会員、非会員を問わず、本会では改正薬事法が求める「医薬品の適正使用とその確保に向けた、薬剤師による対面販売での情報提供」を確保し、国民が安全で安心な医薬品の使用が出来る環境を整備すべく、法の施行以前からその遵守と適切な情報提供を行うよう強く指導をしてまいりました。しかしながら、今回の事例では薬剤師自らが法を守らないばかりか、再三の指導にも従わなかった、あるいは、資格を持たぬ者による業務の実施を看過するなど、およそ患者・国民の安全を蔑にする、薬剤師の倫理に照らしても到底許されるべき行為ではありません。

 今回の事例は、単なる薬事法違反に止まらず、国民・患者が医薬品の取り扱いを「薬剤師に任せる」ことによって、「医薬品の安全な使用が可能となる」という期待を大きく裏切る行為であり、全ての薬剤師への信頼と信用を失墜させるものと認識しております。全国の薬局・薬剤師が、東日本大震災の被災者の方々への救援活動に尽力する中、誠に残念でなりません。

 本会といたしましては、今後こうした不法行為が二度と惹起せぬよう、会員・非会員に関わらず、広く調剤・医薬品販売業務に従事する薬剤師に対して、改正薬事法の趣旨の周知徹底を図るとともに、再発防止へ向けてさらなる指導を行い、医薬品の安全・安心な使用と適正使用の確保に向けて努力する所存であります。

 

http://www.nichiyaku.or.jp/

 

2011/04/26(火) 13:16