matsuda's blog

病院医療従事者の負担軽減など協議 中医協総会

中央社会保険医療協議会(中医協)の第189回総会は、420日に開かれ、新しい会長に森田朗氏が選ばれました。森田氏は、公益を代表する委員で、東京大学大学院法学政治学研究科教授です。総会では、部会・小委員会に属する公益委員の指名等、先進医療専門家会議の検討結果の報告、医療機器の保険適用、臨床検査の保険適用、病院医療従事者の負担軽減(その2)などについて協議しました。

病院医療従事者の負担軽減(その2)については、負担軽減策(その1)として、平成2332日の中医協総会において、病院勤務医の負担軽減について検討を行いましたが、取組みとしては、これに加えて、他職種との役割分担など病院内での取組みと、他の医療機関間の役割分担など地域での取組みについて検証・検討を進めること、医師以外の医療従事者の負担軽減については、看護職員を対象とし、看護補助者の配置の効果の検証や夜間勤務・長時間連続勤務について検証・検討を進めること、という点を基本的な考え方としています。

病院内での取組みについては、病院勤務医の負担軽減のため「医師と他職種との役割分担」や「薬剤師の病棟配置」、病院勤務医及び看護職員の負担軽減のため「急性期入院医療機関における看護補助者の配置」、看護職員の負担軽減のため「看護職員の夜間勤務・長時間連続勤務」、他の医療機関等との取組みについては、病院勤務の負担軽減のため「医療機関間での役割分担」や「外来医療の役割分担」を挙げています。

薬剤師の病棟配置については、医師と他職種との役割分担(チーム医療)に関して、中医協答申書(平成22212)附帯意見において、「薬剤師の病棟配置の評価を含め、チーム医療に関する評価について、検討を行うこと」とされている。このような中、「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」(医政発0430第1号)の中で示された、薬剤師が病棟で実施することができる薬剤関連業務のうち、薬剤管理指導業務(薬剤管理指導料)等については、診療上、既に評価されている。しかしながら、薬物療法プロトコルについての提案、協働作成、協働進行管理など、このほかの多くの薬剤関連業務については、病院勤務医の負担軽減につながると考えられるものの、診療報酬上、特段の評価をされておらず、また、これらの業務の実施状況やその効果については、網羅的には把握されていない、としています。

そして、「薬剤師の病棟業務」についての論点として、「薬剤師による積極的な処方の提案等により、医師等の負担がどの程度軽減され、それが患者の恩恵にどのようにつながるのか、また、どのような病棟においてどのような業務を薬剤師が担うことにより医療安全及び薬物療法の質が向上するかについて我が国の現状を把握することが必要ではないか」と、調査の必要性を指摘しています。

病棟において薬剤師が実施・関与する薬剤関連業務として、○医師等と協働して行う薬物療法業務(診療報酬上、多くの業務が特段の評価をされず):薬物療法プロトコルについて提案、協働で作成、協働で進行管理、患者の状態観察に基づく薬効確認、患者の状態に応じた積極的な処方の提案、薬物療法の経過確認及び同一処方継続可否の提案、持参薬の確認・評価とそれを考慮した服薬計画の提案など、○薬剤管理指導業務(診療報酬上、薬剤管理指導料として評価):患者に対する服薬指導・服薬支援、薬暦管理、患者状態の把握、服薬指導等を通じた薬学的管理、医薬品の有効性・安全性情報の収集、管理及び提供、などを挙げ、その効果として、「患者情報を医療スタッフと共有し、患者の状態に応じた最適な処方設計が可能」+「薬物療法に関する情報を医療スタッフと共有するとともに、薬物療法に関する患者の理解度の向上」の効果があり、これによって「医師の負担軽減」、そして「医療安全及び薬物療法の質の向上」が図られる、としています。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000018toj.html

 

2011/04/21(木) 16:40