薬剤師派遣延べ1,400人突破 日本薬剤師会が東日本大震災救援活動発表
日本薬剤師会は、4月7日、「東日本大震災に係る薬剤師会の救援活動」について発表しました。それによりますと、派遣薬剤師数は、4月7日現在で延べ1405人に達しています。活動状況につきましては、日本薬剤師会災害対策本部ホームページのボランティア派遣実績・活動報告に掲載されています。
日本薬剤師会では、東日本大震災が発生した3月11日、直ちに会内に児玉孝会長を本部長とする災害対策本部を立ち上げるとともに、都道府県薬剤師会と連携のもと、被災地における医薬品の安全・安心な供給と使用を確保するため、被災地の状況を把握・確認しつつ、継続的に派遣等を行っています。
4月7日に公表された、これまでの活動状況は次の通りです。
1.派遣した薬剤師数(4月7日現在)
1)派遣薬剤師数:実人数434人、延べ人数1,405人
(今後の派遣確定実人数:293人・増員継続中)
2)参加都道府県薬剤師会数:44都道府県(被災県を除く)
3)派遣先別人数(自県対応分を除く)
①岩手県:実人数54人、延べ人数160人(今後の確定数25人)
②宮城県:実人数246人、延べ人数917人(今後の確定数177人)
③福島県:実人数130人、延べ人数319人(今後の確定数87人)
④茨城県:実人数4人、延べ人数9人(今後の確定数4人)
4)派遣種類別の人数
①薬剤師会の支援活動としての派遣(自県対応分を除く)
実人数:349人、延べ人数:1,147人
②都道府県医師会との連携に基づく派遣(JMATへの参加等)
実人数:45人、延べ人数:139人
③都道府県等、自治体からの支援要請に基づく派遣
実人数:9人、延べ人数:37人
④その他による派遣
実人数:31人、延べ人数:82人
この他に、日本病院薬剤師会にも4月5日現在で118名の病院薬剤師からボランティアの応募があり、派遣先と活動開始の日程調整が済んだ者から順次、被災地の医療機関に向けて派遣されている。
また、日本チェーンドラッグストア協会及び日本保険薬局協会等の関係団体からも、薬剤師派遣や医薬品・衛生用品等の提供がなされている。
2.他団体・行政等との連携による薬剤師の派遣
1)日本病院薬剤師会と情報の共有を図り、密接な連携の下で適切な薬剤師の派遣スキームを構築している。病院等で求められている薬剤師については、日本病院薬剤師会から派遣を行っている。
2)日本医師会が派遣する「JMAT」に関し、都道府県医師会と都道府県薬剤師会とが連携して、派遣される医療チームに薬剤師が参加している。
3)都道府県との防災協定などにより、各都道府県行政からの要請に基づき都道府県薬剤師会から薬剤師の派遣が行われている。
3.派遣先での活動内容例
1)医薬品集積所等での医薬品の仕分け・管理、並びに救護所・避難所での払い出し業務
2)救護所・仮設診療所等における被災者に対する調剤および服薬説明
3)派遣された医療チームに同行して、処方支援・医薬品の識別・代替医薬品の選択、それに伴う服薬説明等を通じた安全・適正使用の確保
4)各避難所を巡回し、避難された被災者からの医薬品に関する相談・服薬説明に加えて、一般用医薬品(OTC薬)の適切な使用とその相談
5)避難所等における衛生管理並びに防疫対策への協力(ノロウイルス対策としての手指消毒など)
4.お薬手帳等の服薬情報の活用
避難所等へ避難されている糖尿病や高血圧等の慢性疾患の被災者に対して、医療チームが処方した医薬品を間違うことなく、継続的に服薬できるよう、また自己管理を容易にするために、医療チームに同行する薬剤師や医療機関を支援する薬剤師が、「お薬手帳」に薬剤名等を記載し、配布することを積極的に行い、安全に薬が使用できるよう効果を挙げている。
日本薬剤師会では、これまでに8,000冊の「お薬手帳」を被災地の救護所等へ提供しており、現在も増刷を図っている。その他、日本病院薬剤師会が5,000部、秋田県薬剤師会が9,000部、東京都薬剤師会が1,000部提供しており、さらに各都道府県薬剤師会からの派遣薬剤師も被災地へ「お薬手帳」を持参し、配布している。今後も、被災地のニーズに合わせ、継続的に「お薬手帳」を提供する予定である。
5.今後の活動
阪神・淡路大震災では、2か月間、延べ約3,000人の薬剤師が医療支援等の活動を行ったが、今回の大震災はそれを上回ることが想定される。
今後の現地の復旧・復興状況の推移を見ながら、必要な支援が可能となるよう派遣体制を組んでいく予定である。