日本薬学会が第131年会を中止 医学会総会も 東北太平洋沖地震で
日本薬学会は、第131年会を3月28~31日に静岡で開催する予定で準備を進めてきましたが、3月11日に発生した東北太平洋沖地震は、被害の甚大さや社会・経済への深刻な影響が当初の予想をはるかに超えるものであることが明らかになったことから、開催を中止することを決定しました。
東北太平洋沖地震は、震災に続く福島原子力発電所の事故、さらに東京電力の計画停電により予想される交通機関等の乱れなど、未曾有の事態となっており、また年会参加予定者の中には、被災者とともに、薬剤師として被災地に行かれる、あるいは入っておられる方々もいることから、このような状況を踏まえ、第131年会開催の中止を決定したものです。
同年会には、多くの大学院学生、学部生等も発表を予定しており、既に要旨集(冊子版とDVD版)は全国に配布されていますので、年会の取扱いを次の通りとしています。
◇ 本年会には参集しないが、既に要旨集(DVD、冊子)を発行しており、年会は成立したものとします。したがって口頭発表およびポスター発表等、本年会の発表は成立したものとします。
日本薬学会では、「全ての関係者が未曾有の災害からの復興に尽力されることをお願いします」としており、また、「今回の中止が、学術の遅滞を招かぬように最大限の努力をし、日本薬学会の目的である『薬学の発展を通じて学術の進歩と国民の福祉に貢献する』を実践していきたい」としています。
なお、4月2~10日に東京都内で開催される予定であった第28回日本医学会総会(4年毎に開催)も、15日、中止を決定、大幅に総会のあり方を見直すこととしたことを発表しています。
日本医学会では、「お集まりいただく講演会と博覧会は中止いたしますが、主な学術講演・展示につきましては、電子媒体やWEBを活用して、後日、ネット上の日本医学会総会として発表を予定しています」と明らかにしています。
そして、「今回の大災害に際して、医療者・医学者一人ひとりが、被災された方々をいかに支援するか、それぞれの立場で考え、行動する必要があります。医療者・医学者は現場の経験と幅広い視野を持っています。私どもの叡智で、この国家的な難局を乗り越えられるよう願っております」としています。