厚生労働省が医療用医薬品における情報化進捗状況調査結果公表
厚生労働省は、日本製薬団体連合会と日本医薬品卸業連合会の協力により、医療用医薬品のバーコード表示状況などを把握するために、「医療用医薬品における情報化進捗状況調査」を行い、結果がまとまったため、概要を公表しました。
医療用医薬品のバーコード表示は、医薬品の取り違え事故防止、市販後のトレーサビリティの確保を推進する観点から、厚生労働省では、平成18年9月に表示のための基準を通知し、製造販売業者に取り組みを求めています。また、「新医薬品産業ビジョン」のアクションプログラムにおいても、流通機能の効率化・高度化に向けたバーコード表示の取り組みを促しています。
現在、医薬品製造販売業者では通知に基づく取り組みが進められており、その進捗状況などを把握するための調査となります。
調査方法は、日本製薬団体連合会が加盟団体を通じ医薬品製造販売業者に、日本医薬品卸業連合会が所属の医薬品卸売販売業者にそれぞれ調査票を送付し、平成22年9月末時点で新バーコードの表示状況や利用状況などに関する調査を実施しました。
製造販売業者は送付先企業数264社、調査対象企業数218社、有効回答企業数204社、回収率93.6%、卸売販売業者は送付先企業数64社、調査対象企業数64社、有効回答企業数54社、回収率84.4%です。
調査結果の概要は次の通りです。
◇ 製造販売業者
(1)通知に基づき進められている医療用医薬品への新バーコード表示状況などを把握するための調査となります。
(2)JANコード取得状況については、100%の取得率となっています。
(3)MEDIS-DC データベース登録状況については、どの包装単位でも90%を超える登録率となっており、昨年度より2%から10%程度増加していることから着実に進んでいます。
(4)新バーコード表示状況については、通知において求めている項目毎に表示状況を調査しています。
必須表示項目では、どの包装単位・種類でも98%を超える表示率となっており、通知で求めている新バーコード表示が、必須表示項目では概ね全ての製品に表示されている状況となっています。
一方、任意表示項目では、1%から20%程度の表示率となっており、昨年度と同様の水準となっています。
◇ 卸売販売業者
(1)特定生物由来製品と生物由来製品に表示されている新バーコードについて、物流センターと支店・営業所での利用状況を把握するための調査となります。
(2)物流センターでは、販売包装単位・元梱包装単位とも新バーコードを利用していると回答した企業の割合は30%強で、昨年度より5%程度増となっています。一方で、新バーコード以外を利用している割合は50%強で、昨年度より販売包装単位では横ばいですが、元梱包装単位では10%程度増となっています。
また、いずれかの包装単位で新バーコード以外を利用していると回答した企業の70%程度は新バーコード利用について準備中としています。
(3)支店・営業所では、販売包装単位・元梱包装単位とも新バーコードを利用していると回答した企業の割合は30%程度で、昨年度より販売包装単位では20%増、元梱包装単位ではほぼ横ばいとなっています。一方で、新バーコード以外を利用していると回答した企業の割合は両包装単位とも70%程度で、昨年度より販売包装単位では横ばいですが、元梱包装単位では30%程度増となっています。
また、いずれかの包装単位で新バーコード以外を利用していると回答した企業の60%程度が新バーコード利用について準備中としています。
(4)物流センターと支店・営業所で保有しているバーコードリーダーの本数についても調査しました。
物流センターでの総数は約7千台(1社平均約170台)ですが、このうち新バーコードに対応するバーコードリーダーの保有率は約35%で昨年度より6%程度増となっています。
一方、支店・営業所における総数は約5千台(1社平均約140台)で、このうち新バーコード対応率は約25%で昨年度より5%程度増となっています。
(5)参考アンケートとして、現在新バーコードを利用しておらず、更に今後も利用を考えていないと回答した企業を対象に、仮に医療用医薬品の全製品に有効期限・製造番号(製造記号)を含めた新バーコードが表示された場合の対応について包装単位毎に調査しました。
販売包装単位では、利用すると回答した企業は11社、利用しないと回答した企業は4社、元梱包装単位では、利用するが7社、利用しないが8社となっています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r985200000157qp.html