日本薬剤師会が医薬品販売制度で厚生労働大臣に要望
日本薬剤師会は、2月23日付で厚生労働大臣に「医薬品販売制度に関する要望(薬剤師による居宅への配達)」を提出し、都道府県薬剤師会長にも通知しました。
現在、改正薬事法第36条の6第1項から第3項及び薬事法施行規則第159条の15から第159条の17の規定により、情報提供及び相談応需の場所を「当該薬局又は店舗内の情報提供を行う場所」に限定されており、薬剤師が購入者の自宅へ一般用医薬品を届け、情報提供することはできません。
そのため、日本薬剤師会は、薬剤師が購入者の自宅へ一般用医薬品を届け、情報提供できるよう改正薬事法の運用を見直すことなどについて、細川律夫厚生労働大臣宛に要望書を提出したもので、要望書は要旨次の通りです。
平成21年6月より施行された改正薬事法につきましては、本会としても会員への周知に努めており、特に、医薬品を販売する場合の情報提供については、その重要性に鑑み、薬局等の薬剤師に遵守を徹底しているところです。
しかしながら、現在、改正薬事法第36条の6第1項から第3項及び薬事法施行規則第159条の15から第159条の17の規定により、情報提供及び相談応需の場所を「当該薬局又は店舗内の情報提供を行う場所」に限定されており、薬剤師が購入者の自宅へ一般用医薬品を届け、情報提供することはできません。このことは、医療を受ける者の居宅等での調剤や服薬指導を可能としている薬剤師法第22条とも矛盾するものと考えられます。
薬局等へ自ら買いに行くことが困難な障害者や高齢者等の方々の居宅に、薬剤師が一般用医薬品を届け、併せて情報提供や相談応需を行うことは、在宅医療の推進の観点からも不可欠であると考えられます。本会に対しては、改正薬事法の施行前にこうした取り組みを行っていた薬局等の薬剤師より、「購入者宅への配達と情報提供を可能にしてもらいたい」との意見が多数寄せられております。
急激な高齢化に伴い、いわゆる「買い物弱者」の増加が、過疎地だけでなく都市部でも問題となっております。本会といたしましては、薬局等の薬剤師がこうした方々へ薬を届け、対面で情報提供を行うことで、安心・安全に薬を使っていただきたいと考えております。広く安全・安心に医薬品を提供していくことは、薬剤師の責務であると考えており、居宅等への配達が認められれば、本会としては、徹底して実施してまいる所存です。
つきましては、改正薬事法の運用を見直すことなどを厚生労働省として是非ご勘案いただきたく、よろしくお願い申し上げます。
詳細は、日本薬剤師会のホームページの定例記者会見(3月10日)を参照してください。