matsuda's blog

一般薬インターネット販売規制緩和等と調剤基本料大幅引き下げに反対表明(日本薬剤師会)

日本薬剤師会は、217日、「規制・制度改革に関する日薬の対応方針」を発表し、「一般用医薬品のインターネット販売の規制緩和等に反対」と「保険調剤報酬の『調剤基本料の大幅引き下げ』に反対」を表明しました。

「一般用医薬品のインターネット販売の規制緩和等に反対」については、「一般用医薬品のインターネット販売の規制緩和に反対します。およびテレビ電話・FAX等の活用による店舗での医薬品販売、それに伴う薬剤師、登録販売者の常駐義務撤廃に反対します」として理由を示していますが、「保険調剤報酬の『調剤基本料の大幅引き下げ』に反対」については、「行政刷新会議・規制制度改革分科会、ライフイノベーションWGで審議されている保険調剤報酬の『調剤基本料の一元化』と称する大幅な引き下げは、地域の薬局の経営基盤を揺るがすものであり、ひいては、超高齢社会に逆行して地域医療の崩壊につながり絶対に反対です」として、次の理由を挙げています。

 

1.       従来、調剤基本料は、40点が基本であり、24点は例外で、それを24点に"一元化"という考え方は不自然です。現実に全国の保険薬局の99%は40点であり、24点は、わずか1%にすぎません。例外である1%に99%を合わせるなど暴論といわざるを得ません。

2. 調剤基本料「40点」を「24点」に引き下げた場合、地域薬局の維持に多大な影響を与え、地域の医薬品供給体制を崩壊させるものと懸念されます。

() WG報告書では、引き下げの影響率は、1.8%に留まり、薬局の継続には影響ないとしていますが、その根拠は、医療経済実態調査(平成216月調査)で、薬局の利益が6%あるから、としています。

  しかし、1.8%は薬剤費(報酬全体の約73%を占める)を含めた調剤報酬を分母としたものであり、技術料ベースでは6.7%の引き下げに相当します。

(イ)    6%といっても、金額では年間896.9万円であり、同調査で試算すれば、引き下げによる1薬局当たり(処方箋1586)の減収は、年間で304.8万円、収益の3割強に相当し、また、月額25.4万円の減収となり、それは従業員1人分の人件費に相当する大幅な引き下げです。

3. "一元化"の根拠とされるデータは、全国保険薬局数約5.5万件のうち21(2003)、同63(2004)という極めて少数の薬局に対する、78年前の調査であり、かつ、どのような薬局を調査したかの説明もない、全く根拠薄弱なものであり、統計的な意味はほとんどありません。

   加えて、WGの報告書の記載は、WGの主張に都合のよいところだけを取りあげた、極めて恣意的なものであります。

4. このまま大幅な引き下げが導入されれば、全国平均(1カ月の処方箋1586)以下の中小薬局は多大な影響を受け、平成22年改定での薬価引き下げの影響とともに、壊滅的なダメージを受けることになります。

 

     調剤基本料は基本は40点ですが、例外として24点というのは、「処方箋受付回数が月4000回以上で、かつ特定の医療機関の処方箋集中率が70%以上」ということです。

 

 http://www.nichiyaku.or.jp/contents/kaiken/pdf/110217_1.pdf

2011/02/21(月) 00:00