検温が日常に

管理栄養士の山内です。

今朝、体温計で検温したところ、34.9℃と出ました。冷え性ではありますがあまりにも低すぎて再度測ると36.2℃と正常でした。

体温計に頑張れと言いながら測ると36.2℃だったので、褒めて伸びるタイプの体温計なのかもしれません・・・!

(冗談です。ただ、測り方が悪いだけだと思います!)

薬局に来られる方に体温計はありますかと聞かれることが相変わらず多いです。

コロナウイルスの感染目安として、37.5℃以上という基準があるため、求められる方が増えているのだと思います。

よく、体温が高い方が免疫力があると言われますが、これは科学的に実証されていないそうです。

 

2017年に発表された論文では人種間での平熱の差や死亡率について書かれていました。

特にウイルス感染などにかかっていない3万5488人を対象にした研究で得られた結果は

・人種間で大きく平熱が変わらないこと

・2月(冬)よりも7月(夏)の方が0.08℃体温が低くなる

・平熱が0.149℃上昇すると1年死亡率が8.4%上昇する

 

特に3つ目は、体温が上がると健康というイメージがあるかと思いますが、そうではないのかもしれないという新しい説が出てきたということです。

ただ、なぜ死亡率が上がったかは分からなかったとのことだったので今後の研究結果を待ちたいところです。

 

体温に関して確実に分かっていることは身体の中にウイルスが侵入するとそれを弱らせるために体温が上がるということです。

引き続き検温は行っていきましょう!

梅干しには効用がいっぱい!②

管理栄養士の山内です。

昨日の休みはひたすら、録画していた刑事ドラマ『相棒』を見ていました。

主人公である杉下右京が頻繁に行く、小料理屋の食事が美味しそうで、ドラマを見た日は大抵、和食を食べたくなります。

 

さて、今日も梅干し・梅の効用についてです。

 

前回は、抗菌作用・インフルエンザ予防・脂肪燃焼効果・血液浄化作用について書きました。

その中でもインフルエンザ予防で登場した「エポキシリオニレシノール」もその一種である、梅リグナンのはたらきが関係する効用についてです。

◎抗酸化活性作用

活性酸素はガンや生活習慣病を引き起こすと言われていますが、梅干しに含まれる梅リグナンは酸化反応を抑えるはたらきがあることが分かっています。

◎胃がん予防

胃がんに対する有効成分は梅リグナンの一種「シリンガレシノール」という物質です。胃に障害を与えるヘリコバクターピロリ菌は高い運動能力があり、動き回ることで粘膜を傷つけます。シリンガレシノールはその運動能力を抑制する効果を示すことが分かったそうです。

梅リグナンという物質は作用が多岐に渡りますね!

 

梅干しのその他の効用として

◎食欲増進

梅の酸味が消化器官を刺激し、消化酵素の分泌を促し、消化を助け、食欲増進効果ももたらします。

◎虫歯予防

ミュータンス菌という言葉を聞いたことがあるでしょうか。キシリトールの入ったガムのCMでも出てくる言葉ですが、これが虫歯の原因菌です。そのミュータンス菌の活動を抑えてくれるのが梅干しに含まれるクエン酸です。

◎鎮痛作用

梅干しの香り成分であるベンズアルデヒドには痛みを鎮静・軽減する効果があるそうです。頭痛のときに香りを嗅ぐだけで痛みが軽減するそうです。

 

たくさんの効用を書きましたが、改めて梅干しと先人の知恵のすごさを感じました。

梅仕事をするこの時期、梅干しについてのお話しでした!

梅干しには効用がいっぱい!

管理栄養士の山内です。

一気に夏が来たような気温ですね。まだ5月ということもあり熱中症対策がまだという方も多いかと思います。水分補給などの熱中症対策をしておきましょう!

さて、今日は梅干し・梅の効用についてお話しします。

平安時代中期に書かれた『医心方』には既に梅干しの効用が記載されていました。

「味は酸、平、無毒。気を下し、熱と煩懣を除き、心臓を鎮め、四肢身体の痛みや手足の麻痺なども治し、皮膚のあれ、萎縮を治すのに用いられる。下痢を止め、口の渇きを止める」

現代では研究が進み、様々な効用が明らかになっています。

 

◎抗菌作用

お弁当に入れると食品が傷みにくいと言いますが、それは梅干しに含まれる有機酸と食塩の相乗効果によるものだそうです。

 

◎インフルエンザ予防

梅に含まれるエポキシリオニレシノールというポリフェノールの一種がウイルスの増殖を約90%抑えてくれることが明らかになっています。

 

◎脂肪燃焼効果

紀州産梅干しを用いた研究ではバニリンという成分が脂肪細胞に刺激を与え、それが脂肪燃焼につながり小さくなることで体重減少が期待できるそうです。

 

◎血液浄化作用

人間の体液は弱アルカリ性に保たれている必要があります。体液が酸性に傾くと血のにごりや、内臓機能の低下を招きます。梅干しはアルカリ性の食品であり、中和してくる作用があります。

 

まだまだ紹介したい効用がたくさんありますが、くれぐれも食べすぎないようにしましょう!

好きな種類で美味しく、健康に食べる!

管理栄養士の山内です。

昨日は梅干しの歴史と食塩量についてお話ししました。

歴史は好きなので、たまに食の歴史についても入れ込みながらブログを書いていこうと思います。

 

今日は梅干しの種類による食塩量の違いについてです。

減塩梅干しやはちみつ漬け、かつお梅などがありますが、それぞれの食塩量はどれくらいでしょうか。

梅干しの種類別食塩量

種類                :1粒10g/1粒3g(小梅)あたり

塩漬け(塩分18%) : 1.8g / 0.54g

しそ漬け(塩分10%): 1.0g / 0.3g

かつお(塩分8%)   : 0.8g / 0.24g

はちみつ(塩分5%)  : 0.5g / 0.15g

減塩(塩分3%)    : 0.3g / 0.09g

※商品により多少違いがあります。

 

ちなみに、1日の目標食塩摂取量は

男性:7.5g、女性6.5gです。

一般的な梅干しであると食塩量が多くなるため1日に1/2個~1個に抑えましょう!ただ、食塩が多いことで添加物がなくても日持ちします。

はちみつ梅干しなど味が追加されている梅干しは食塩量は少なくできますが、特に甘みがついていると2個、3個とパクパク食べられてしまうかと思います。1個当たりの食塩量が少なかったとしても個数が増えるとその分、食塩量はもちろん増えるので1日に1~2個までにしましょう。

味付きの梅干しや減塩の梅干しは食塩量が少ない分、日持ちがしにくかったり、添加物が追加されていたりします。

ご自身に合ったものを選んでいただければと思います。

 

このブログを書くために、梅干しについて調べていたところ、なんと食塩無添加の梅干しが販売されていました!これは管理栄養士としては一度食べてみたいですね。

 

梅干しのマイナス面を多く書いてしまったので、明日は梅干し・梅の効用をお話ししたいと思います!

 

明日もお楽しみに!

梅干しの歴史と食塩量

管理栄養士の山内です。

春はあったのかと思うくらい急に暑くなってきましたね。自転車通勤をしていますが、ここ最近は職場に到着するころには汗だくです。

暑くなるとさっぱりしたものを食べたくなる方も多いのではないでしょうか。

今日はそのような食材の中から梅干しを取り上げます。

おにぎりの定番具材である梅干しは昔からありますが、どれくらい前かというと984年(平安時代中期)に書かれた日本最古の医学書に梅干しの効用の記載があるそうです。

鎌倉時代になると縁起物として扱われていたようです。

一部の人しか食べられていなかった梅干しが庶民の家庭に登場するようになったのは江戸時代と言われています。その当時のおせちに入っていたそうです。

薬や縁起物として扱われていた梅干しですが、気になるのは食塩です。

スーパーの梅干し売り場を見てみると「減塩」と書いてあるものが増えたように思います。

梅干しは塩分のパーセント(%)が記載されているものが多いです。

そこから1個当たりの食塩量が計算できます。

500円玉サイズ程度の梅干しはだいたい10gあります。

例えば、10gの梅干しで塩分8%であれば、1個当たり0.8gの食塩が含まれます。

同じくらいの大きさの梅干しであれば

塩分パーセントの数字×0.1=1個当たりの食塩量  となります。

明日は梅干しの種類についてお話しします!

 

ラーメンの種類による栄養素の違い

管理栄養士の山内です。

ラーメンの続きです。

ラーメンにはしょう油や塩、味噌、とんこつ・・・と様々な種類があります。

スープの種類が変われば、含まれる栄養素も変わってきます。

たまにしか食べないのであれば、前回のブログに書いたように2~3日で調整すると良いですが、ラーメンを週2~3回食べる方は種類に気を付けてみましょう。

①エネルギー量

麺とスープのみでエネルギー量の少ない順に並べると

塩→しょう油→味噌→とんこつ  です。

 

②食塩量

エネルギー量と同じく麺とスープのみで食塩量の少ない順に並べると

とんこつ→しょう油→味噌→塩  です。

 

糖尿病や肥満、高血圧や血管系の病気、腎疾患といった病気をお持ちの方はもちろん、予備軍の方、予防したい方も食べる回数が多いのであれば上記を参考に食べる種類を選ぶのも1つの手です。

ただ、ラーメンにごはん類や餃子といったものを食べたいのであれば、回数を減らし、食べたときは2~3日で調整をする。

どこかでご自身が妥協できる点を見つけて病気が悪化しないように、病気にならないように美味しく、楽しく食事をしましょう!

ラーメンはお好きですか?

管理栄養士の山内です。

皆さん、ラーメンはお好きですか?

私は大好きです!小学校が半日で終わる土曜日は母親にいつもラーメン食べたいと言って呆れられていました・・・。

今でも休みの日は作って食べることが多いです。昨日は醤油ラーメンを揚げ餃子とともに食べました!美味しいですよね。

ただ、ラーメンに揚げ餃子・・・。糖質もあぶらも多いですね。

 

でも、食べてしまったものは仕方がありません。

ここからどう調整するかが大切です。

食べたその日、1日で調整しようとする方が多いと思います。

でも、1日ではなく、2日程度で調整してみましょう。

1日で調整しようとすると、他の食事を極端に減らすことになります。

すると極端に減らした食事の次の食事を吸収しやすくなり、この食べ方が続くと太りやすい体質を作り上げてしまいます。

極端には減らさず、普段通りの食事量にし、あぶらを使用した揚げ物や炒め物料理は控えましょう。

他にあぶらが多い食材を挙げると

・バラ肉 ・鶏皮 ・ベーコン ・アボカド ・ナッツ類

などです。

また、毎日食べているお菓子があれば調整期間は減らすか食べないようにしてみましょう。

 

普段の量が多い方はそこから見直しが必要です。多いかどうかは自分では把握できないかもしれませんので、その際は管理栄養士にご相談ください!

魚を最初に食べると・・・

管理栄養士の山内です。

前回のブログでは肉が先か野菜が先かというお話をしました。

あれ、魚は?と思った方もおられるかと思います。

魚についても肉と同時に研究が行われています。

魚はサバの水煮を使用して血糖値の動きをみています。魚についても味付けが血糖値に影響しないように実施されています。

魚についても肉と同じく食後の血糖値上昇を抑えてくれることが分かりました。ただ、肉の方がより抑えてくれるという結果でした。

では、肉の方が良いのか!となるかもしれませんが、肉と魚に入っている脂肪の種類を考えてみましょう。肉の脂は摂りすぎると心臓病や脂肪をため込むホルモンを出すため肥満を招く可能性があります。

それに比べて魚の脂は中性脂肪を下げる効果や動脈硬化を防ぐ効果があります。

前回のブログに書いた食べ方に追加すると

 

◎中性脂肪を下げたい、血管を若く保ちたい方は魚から

◎血糖値の上昇をより抑えたい方は肉から

◎血糖値の上昇も抑え、体重も増やしたくない方は野菜→肉の順番、もしくは魚から食べる

ご自身の身体の状態に合わせて食べる順番も変えてみましょう!

 

 

肉が先?野菜が先?

管理栄養士の山内です。

今日は食べる順番についてお話しします。

私が小さい頃は「三角食べ」が主流でした。偏りなく食べることが良いこととされていました。

しかし、野菜から食べると血糖値の急上昇を抑えることができ、太りにくいという情報が出ると、その食べ方をする方が増え、糖尿病の患者さんにも野菜から食べましょうと話すようになりました。

さらに近年では肉を食事の最初に食べると血糖値の急上昇を抑えることができるという朗報?が飛び込んできました。

※数年前の写真です。

 

肉を先に食べて良いのであれば実践しやすい!という方は多いかもしれません。

しかし、この食べ方には注意点があります。

この研究は網焼きの肉で行われています。

つまり、甘辛く味付けされていない、肉以外で血糖値に影響しないようにされています。

また、実験では肉を食べて15分後に糖質である白米を食べています。

さらに、肉を先に食べることで脂肪をため込みやすくなり、長期でみると肥満になるのではないかと懸念されています。

上手い話には必ずといって良いほどこのような条件がついてきますね・・・。

では、どのように食べると良いのでしょうか。

①肉を先に食べる場合は、砂糖やみりんといった糖質が多い調味料で味付けされていない料理の時にしましょう。そうでないときは野菜からにしましょう。

②体重を減らさないといけない、やせたい方は野菜⇒肉の順に食べると野菜が肉の脂の吸収を抑えてくれます。

③何を食べるにしてもゆっくり食べることも重要です!

 

糖質を食べるまでの時間間隔や食べる順番の長期効果は今後の研究に期待したいところです。

 

あれ、魚はどうなの?と思った方!

次回をお楽しみに!

ウイルスに負けない身体を食事からつくる

管理栄養士の山内です。

今日はウイルスに強い身体をつくる栄養素について書いていきます。

まずは、最近の研究から不足することでウイルス感染症を発症する可能性があると言われているビタミンDです。

ビタミンDは骨にも関係している栄養素のため、骨粗鬆症が気になる方はご存知かもしれません。

ビタミンDはイワシやサケやサンマ、干しシイタケ、卵に多く含まれます。

18歳以上は男女問わず8.5㎍(マイクログラム)が1日の目安量となります。

食材では以下の通りです。

マイワシ1匹(100g):32㎍

サケ1切(厚め100g):32㎍

サンマ1匹(中150g):23.5㎍

卵1個(Mサイズ):2.6㎍

干しシイタケ2個(中6g):0.8㎍

身近な食材で摂れる栄養素かと思います。

卵は3~4個程度食べないと1日量にはなりませんが、偏った食べ方ではなく魚も取り入れてみましょう。

調理方法で大きく栄養量が変わる栄養素ではないためお好きな食べ方で食事に取り入れてみてください!