yoshio's blog

2012年10月

(株)育星会の誕生への道のり 第19章 本社の移転とOAPカイセイ薬局の開設

19章 本社の移転とOAPカイセイ薬局の開設

 

OAPカイセイ薬局は、平成24101日、リニューアルオープンしました。新たなコンセプトの下に、新しい薬局のあり方を求めて、素晴らしい店舗が誕生しましたが、そもそもOAPカイセイ薬局と本社の開設の経緯を述べますと、薬局は平成84月で、その1ヵ月後の5月に本社事務所もOAPビルに移転しました。

OAPとは、大阪アメニティパーク(OSAKA AMENITY PARK)の略で、大阪市北区天満橋の広大な敷地とウォーターフロント(大川沿い)という恵まれたロケーションを生かした大規模複合開発プロジェクトで、OAPタワー(オフィス・レストラン・商業施設)、帝国ホテル大阪、OAPレジデンスタワー(高層住宅棟、東西2)などが集約しており、OAPタワーは地上39階地下3階で1996(平成8)1月に竣工しました。本社はその6階に、OAPカイセイ薬局は2階にあります。

OAPのビル建設に当たって、中に医療機関が入居するので、2階の店舗部分に薬局の入居の話がありました。医療フロアーは12階ですが、4軒の診療所が入ることになっていました。当初は、内科、皮膚科、ペインクリニック、歯科でしたが、現在は内科と皮膚科だけとなっています。薬局部分には4~5件の申し込みがあったようですが、交渉している時に、「事務所スペースが空いており、そこに入ってもらえば薬局の方も優先的に考えざるを得ない」という打診がありました。そこで、「それでは本社移転のため事務所スペースも借りることにましょう」ということにしました。そして、本社を移転したわけです。

実は、本社につきましては、それまでに新しい場所を探していました。それまでの本社は、大阪府堺市三国ヶ丘御幸通8で、南海電車の堺東駅に近いビルの一室でしたが、小さくて非常に狭く、トイレも男女共用でしたので非常に不便に感じていました。使用中のため、近くのシッピングセンターのトイレまで行ったこともありました。新しい事務所を探していた時でしたので、OAPの話は好都合で、「事務所を借ります」と表明しましたところ、「それでは薬局の方も優先的に貸します」ということになりました。

事前調査をしましたところ、隣接の帝国ホテルのお客さんの中にも「ちょっとした薬を買いたい」という方が結構いることが判りました。それに、OAPタワーの中には6000人ほどのビジネスマンが入るということでした。そのため、「それではOTC兼用の薬局にしよう」ということになりました。OTCにつきましては、育星会の株主が全員OTC薬局の出身者ですし、その年の1月に元町カイセイ薬局(神戸市中央区、710日、第18章で紹介))を開設して経験がありましたので、何一つ不安もなく「やってみよう」ということになりました。

OAPに関しましては、川久保会長の発案で、「コンビニ型薬局にしよう」という計画を進めました。コンビニ型薬局というのは、コンビニが扱っているような商品を置くのではなく、薬の品数を多くし、商品の大きさは最小包装だけにしようということです。お客様から要望された製品はできるだけ置くようにする、しかも、最小包装品だけに限定しようということにしました。中包装、大包装は置かないという考え方で、「ついで買い」でも構わないということです。その代わり全て定価販売としました。これを「コンビニ型薬局」と呼びました。

「一般的な薬局にある雑貨類も置きましょう」「その代わりできるだけ定価にしましょう」ということです。そのような客層ですから、最小包装品で構わないということですが、その後、お客さんの要望もありまして、中包装品・大包装品なども置くようになりました。

コンビニ型薬局というのは川久保会長の発案です。

そして、処方せん調剤の方は、最初はペインクリニックが出ていましたが、皮膚科と内科も処方せんが出ており、現在はこの2科だけになっています。それでもある程度利益確保ができています。比較的順調に推移していると思います。

これらのテーマが解決し、OAPカイセイ薬局のスタートとなりました。

つまり、販売面では、店は立地に応じて在庫を少なくすることが目標であり、価格に関しても、ドラッグストアや一般の薬局では値段は安く売られていますが、大包装品を買うことが多いため、OAPでは定価販売であるのに、最小包装のため、お客様は「安く変えた」という錯覚を持つことになります。

品目数は多く、包装単位は最小にする、定価販売にする、このことは「ついで買い」に徹するという方針に沿うものであり、OTCは順調に利益をあげました。

「調剤薬局はコンビニ型でなければならない」ということは、調剤薬局、特に小規模調剤薬局の進む道はこれしかないと考えました。OTC併設でもどのような形が良いかと考え、川久保会長と私が達した結論です。これが育星会の次の段階の夢だと考えました。

2012/10/10(水) 00:00