yoshio's blog

全体会議講演(平成24年4月22日) のまとめ2・知識と知恵

2.知識と知恵

二点目は、知恵と知識という問題があります。私と川久保は、処方せんが出ない時代に一枚でも多く処方せんを獲得するのに苦労した時代の知識を持っている訳ですが、処方せんが当たり前のように出回っている今の時代の状況下では、古い知識で凝り固まっている私たちが居残って運営していては、ともすれば過去の知識に固守し自分が気がつかぬ間に間違った方向に行く可能性が多々あると考えました。「処方せん獲得の時代は終わり、これからは処方せん調剤の質の時代である」ということです。質の問題なのに、獲得の時代の感覚が尾を引いて居れば時代の移り変わりを見誤り、会社の発展に大きな迷惑をかける事だろうと考えました。

知識というものは、年月が経ってきますとどんどん豊富になりますが、それは全て過去の産物なのです。若い人は年月が経っていませんので知識が少ないです。そうしますと、一つの問題を解決する時に、若い人は知識がありませんから、一生懸命知恵を絞って問題を解決しようとしますので、その時代に合った知恵が自然と出てまいります。そしてその時代に合った解決をして行きます。

「処方せん発行の時代から医薬分業の質の時代」へ変わっていく時代ですから、過去の知識を持った人から現時代の知恵を出す人たちへと移り変わらなければならないと考えたわけです。若い人たちは知識がないので知恵を絞ります。そして豊富な知識を持った社会人になっていきます。ところが、豊富な知識を持つと新しい時代の知恵が出ません。知識は古い時代のものですので、新しい時代にはほとんど対応できません。日本には、そのような単純な事が理解出来ず、日本の将来を阻害する政治家や、会社を私物化し会社の発展を阻害している人たちがいっぱいいます。

日本の企業では、特に創業者の99%はそのような気持ちになりません。最後まで自分の存在を残しておきたいと考えます。それは、会社に対する愛着というよりも自分に対する愛着です。会社に対する愛着なら退くことが本来の姿でしょう。自分の欲望に対する愛着ならその職を維持し院政をひくことです。ほとんどの創設者や団体で力のあった方はこの引き際を誤り、自分にも他人にも迷惑をお掛けすることになります。

私は、引くということを決めたら、会社にも顔を出さない、それが自分自身と会社に対する愛情であるという考えでいました。

今の企業や官・政界を見てもらうとよく解りますが、いろいろなところで、年寄りが残ったために、時代や社会の流れを読む事が出来ず、会社や政界がおかしくなったケースが色々みられます。

年寄りが会社に残るということは、「豊富な知識を持った私が居なければ」という理屈で、創設者は残ろうとしますが、それは本当に正しいのでしょうか・・・。私は、知恵と知識という関係から、「会社に対する本当の愛情は何だ」と自問自答しながら、もちろん、川久保君が亡くなったという大きな要因もありますが、飯田君にご苦労をお願いしたわけです。

われわれの時代の苦労も知りながら、必要な知識を持ちながら、新しい時代に対応できる人は「飯田君だ」と思いました。飯田君は以前の苦労した時代の知識も持っていますので、「患者さんを大事にする」という考え方は引き継いで、患者さんに対するサービスや社員に対する思いやりを充分に持っています。育星会は、飯田社長という素晴らしい後継者がいて、彼にバトンタッチ出来たことを非常に幸せだと思っています。

飯田社長を頂点とした若い組織に変えることが会社そのものを発展させる大きな要因だと考えています。

 

2012/08/24(金) 00:00