yoshio's blog

全体会議講演(平成24年4月22日) のまとめ・序

 1ヶ月ほど前に福岡に行く用事がありまして、新幹線に乗ったのですが、新幹線の中に「WEDGE」という、よく読まれている雑誌が置いてありました。(2012220日発行、第24巻第3) それをめくっていますと、東京医科歯科大学医療経済学分野教授川渕孝一先生の記事が出ていました。川渕先生は経済学者ですが、私が現役の時から医薬分業については批判的でした。

その川渕先生が「日本の今の医薬分業は本当に患者のためになっているのか」という標題でお話しています。「WEDGE」に掲載されたというのは、「医薬分業の時代が、処方せん発行の時代から制度を含めた内容の時代へと移り変わり始めたのではないかな?」と直感的に感じました。帰ってきて、現役時代に知り合った仲間たちに今の流れを聞いたり、現状を見てみますと、日本医師会の会長が「医薬分業をもう一度検討し直さなければいけない」と言い出しています。薬剤師会の会長も同意はしておりませんが反論はしておりませんでした。野田首相も国会の答弁で薬の飲み残しに触れています。「これはひょっとして全国的な動きなのかな」と思いましたし、経済学者から観ると、確かに医薬分業により医療費が下がるということはないと思います。従って、それに対する費用対効果だと思います。

一人一人の薬剤師が費用に見合うだけのサービスを患者さんに与えているかどうか、見つめ直す時期に来ているのではないでしょうか。

川渕先生は、私が現役時代には、「医薬分業は高くつく、手間がかかるし、一向に良いことはない」という言い方でした。言い方は殆んど変わっていませんが、

     「本当に患者のためになっているのか」

ということが全国的に盛り上がってきている時代です。反応の多さにそのことをつくづく感じました。

そこで、その問題を改めて考えていた時に、たまたま育星会から全体会議に「創設者としての話をしないか」という要請がありました。現役の時には月に何回か医薬分業の話をするために全国を飛び回っていましたが、退職後は一切講演する事はしませんでした。現役を離れますと、頭の中の「時」が止まりますから、自信を持ってお話出来ませんでした。そういう時に話を持ってこられましたので、最初はお断りいたしました。

しかし、たまたま、育星会のホームページの巻頭で飯田社長の話を読んだ時に「あなたにやさしい薬局・薬剤師」と涙が出るほど嬉しい文字を見ました。「自分たち創設者の気持ちを受け継いでもらっているんだ!」と感じましたので、喜んでお話させていただくことに致しました。

 

私がお話したかったことは3点あります。

それは、

 

1.医科処方せん「0」の時代

2.知識と知恵

3.患者を抱きかかえた薬療(患者の目線から)

 

です。

 

 順次、このテーマについてお話したいと思います。
2012/08/10(金) 00:00