harimoto's blog

2008年2月

8分間のいい話。

地下鉄の千日前線 谷町九丁目から阿波座までの8分間で、小さなドラマに出会 いました。
電車は少し込み合っていて、私はドア付近に立っていました。
座席に座っていた年配の女性が、自分の目の前に大きな荷物を持って立っている女性に
「良かったら座ってください。」と声をかけると「すぐに降りるから大丈夫ですよ。」と。
すると年配の女性の横に座っていた男の子が「僕代わりますので、どうぞ!」
「いえいえ本当にすぐに降りますので。ありがとうございます。」そんなやりとりが続き、
3人の会話は世間話に発展。「大きな荷物の中身は...。」『お花なんです...。』「きれいね~。この花、好きやわ...。」
そこから2つ目の駅で大きな荷物を持った女性は電車を降りました。
そしてここからは年配の女性と男の子の世間話に...。
「若いのに偉いね。僕が代わります。なんてなかなか言えないよ。」
『いえいえそんなことないですよ。』
「きっとお父さん、お母さんのしつけがいいんやね。久しぶりに本当に気持ちが良かった。」
『ありがとうございます。僕もすぐ降りるので。』
「どこで?」
『桜川でバイトしてるんですよ。』
「おばちゃんも桜川!すごい偶然!」
『ほんまですか!!』
「どこでバイトしてるん?」
『○○のたこ焼き屋です。』
「知ってる、知ってる。私、たこ焼き大好きやし、一緒に行って買って帰ろ!」
『えーありがとうございます。』
...電車は桜川に到着。
「私、絶対近所の人にも、友達にも君のところのたこ焼き屋、宣伝するわ!」と言いながら、
二人は電車を降りていきました。

この間、8分。私はこの会話に釘付けに!
そして8分後の結末に感動しました。
この女性は彼がバイトしているたこ焼きの味がおいしいかまずいか、そんなことは関係なく、
そこで働くこの彼に興味を持ったのです。
この気に入った彼のために、何か彼が喜ぶことをしてあげたい。と瞬間に感じたのだと思います。
彼は何か大きな人助けをしたわけではなく、当たり前のことをしただけです。
そして当たり前にした行為を褒めてあげることのできる大人がそこにいた。
この話はいたってシンプルなのに、大きな感動が...。

私は、ビジネスにおいての基本中の基本をこの8分間の出会った方々に教えていただいた気がします。
難しいことをしようとする前に、当たり前のことを当たり前に出来ているだろうかと考える時間を
与えていただきました。
きっとこの方たちは自分たちの会話で、こんなに人を感動させているとは知るはずもなく...。

それがまたちょっと素敵だと思いませんか...。

2008/02/16(土) 13:37