カイセイ新聞

カビについて

梅雨の季節になると、気になるのがカビ。気密性が高く高温多湿な日本の住まいでは発生しやすく、毎年悩まれている方も多いのではないでしょうか。今回はカビについてお話しします。

◆カビの正体

カビは動植物ではなく、菌類の一種です。菌糸と呼ばれる糸状の細胞と胞子からなり、水分や栄養を吸収して成長しています。成熟した菌糸は、たくさんの胞子を作り放出。放出された胞子は人や風を介して別の場所へ運ばれていきます。カビの発育には栄養源、水分、温度、酸素の4つの要素が必要です。なお、でんぷんや糖分などの食品に限らず、人間のフケやアカ、畳や布等も栄養源になります。
また、ほとんどのカビが5~35℃で生息し、20℃を超えると活発に、28℃で繁殖が最も盛んになると言われています。(低温、高温を好むカビもいます)


◆カビの種類と発生しやすい場所

現在知られているカビの種類は約7万種とも言われています。水回りや壁などの家内で発生するカビもあれば、食品に発生するカビもあります。

  • 黒カビ...住宅のいたるところでよく発生している。黒い斑点状。
  • 赤カビ...浴室やタオルなどで赤っぽく見えるカビ。土壌や汚水にも存在。
  • 青カビ...パンやミカン等の食品に発生し腐敗させる。100種類以上あると言われ、世界初の抗生物質「ペニシリン」の発見につながったり、チーズの一種に有効活用される種類もあります。
  • 麹カビ...パンやまんじゅう、ケーキ等に発生。味噌や醤油、日本酒の生産に使われる種、胞子が肺に入ると肺炎に似た症状を引き起こす種など、実に100種類以上。
  • その他...「乾き麹カビ」「あずき色カビ」などがあります。また、人体で炎症を起こす「カンジダ」や、水虫の原因となる「白癬菌」もカビの一種です。

◆カビ対策

カビ対策の基本は、カビの発育条件を絶つことですが、カビの増殖する環境は人間の生活する環境でもあるため、全ての条件を絶つことはできません。比較的コントロールしやすい、「栄養源」と「湿度」を少なくすることを心がけましょう。

  • 換気...台所の使用時に換気扇を回す、入浴後に換気をするなど、空気の流れを作りましょう。空気の入口は狭く、出口は広くすることで、風通しがよくなります。押し入れに、スノコを置き空気の流れを作るのも効果的です。
  • 掃除...発育条件が整いカビが増殖しやすい除湿機やエアコンの内部は、定期的にフィルター掃除が必要です。また、家具を壁にぴったりつけずに、少し隙間をあけておくと空気が通りやすくなり湿気がこもりにくくなる他、掃除もしやすくなります。
  • 除湿...洗濯物は室内に干さないのが一番ですが、雨天などでやむを得ない場合は、除湿機やエアコンをつけて、なるべく湿気をためないようにしましょう。

*カビは、風邪等で抵抗力が弱くなった体を蝕み、さらなる病気の原因になることもあります。食事睡眠に気を配り健康的な生活を心がけましょう。