カイセイ新聞

飲酒 ~楽しく、健康的に飲むために~

12月になり、忘年会などお酒の席が多くなる時期となりました。 皆でお酒を飲みながら、楽しいひととき...お酒はコミュニケーションを円滑にしてくれ、適度に飲めば健康にも良いとされています。その反面、急性アルコール中毒や泥酔など、危険な面も持ち合わせています。楽しく、健康的に飲酒するためのコツをお話しします。

*「酔い」の仕組みと状態

「酔う」とは、血液に溶け込み脳に運ばれたアルコールによって脳が麻痺する状態です。どの位酔っているのかは、脳内のアルコール濃度で決まりますが、実際には測れないため、血液中のアルコール濃度で判定します。
酔いの状態は、血中アルコール濃度(BAC)によって次の6段階に分けられています。※酔いの進み方、状態には個人差があります。

  1. 《爽快期:0.02~0.04%》ビール中瓶1本未満...陽気・さわやかな気分になる
  2. 《ほろ酔い期:0.05~0.10%》ビール中瓶1~2本...ほろ酔い気分になる
  3. 《酩酊初期:0.11~0.15%》ビール中瓶3本...気が大きくなる
  4. 《酩酊期:0.16~0.30%》ビール中瓶4~6本...吐き気・おう吐が起こる
  5. 《泥酔期:0.31~0.40%》ビール中瓶7~10本...意識がはっきりしない
  6. 《昏睡期:0.41~0.50%》ビール中瓶10本超...昏睡状態、時に死亡の可能性

*「適量」ってどれ位?

適量には個人差があり、一概に言うことはできません。同じ人であっても、その日の状態により酔い具合は異なります。社団法人アルコール健康医学協会では、一般的に約20~40gまでの純アルコール量を限度とするように奨めています。
ビール中瓶1本(500ml)、日本酒1合、缶チューハイ1.5缶(約520ml)の各々が純アルコール量20gに値します。ただし、お酒に弱い人や女性は、この基準よりも少な目を適量と考える方が良いでしょう。


*食べながら飲みましょう

空腹時に飲酒すると、胃がカラッポのためアルコールがすぐに吸収され、酔いのまわりが早くなってしまいます。食べながらお酒を飲むと、胃の中の食べ物が粘膜の上に層を作り、胃荒れが軽減され、アルコールの吸収も遅らせてくれます。また、お酒のペースを抑えることもできます。


*おすすめのおつまみ

アルコールを分解する肝臓にはタンパク質が必要なため、お酒を飲む時には、魚介類・脂身の少ない肉類・枝豆・豆腐など高タンパク質の食べ物がおすすめです。また、アルコールによってミネラルやビタミンが失われやすいので、それらを豊富に含む野菜類などの植物性食品も摂るようにしましょう。飲酒前にチーズを食べると、胃腸の粘膜を保護する効果により、アルコールの刺激で胃壁が荒れるのを和らげてくれると言われています。

*休肝日は「週休2日」

毎日の飲酒は肝臓に負担をかけてしまいます。週に2日は休肝日を。
飲酒量も無理のない適量を心がけ、楽しくお酒と付き合いましょう。