カイセイ新聞

世界糖尿病デー

現在、世界の成人人口の約5~6%が糖尿病をかかえており、2025年には3億8,000万人に達すると予想されています。日本でも40歳以上の3人に1人が糖尿病または予備軍であると言われています。拡大を続ける糖尿病の脅威を踏まえ、2006年に国連が11月14日を「世界糖尿病デー」に指定し、世界各地で糖尿病の予防、治療、療養を喚起する啓発運動の推進を呼びかけました。毎年、国連および主要国で様々なイベントが開催されます。

*糖尿病とは

慢性的に血糖値が高くなる病気が糖尿病です。
糖尿病になると、体内で唯一血糖を下げるインスリンというホルモンが不足したり、うまく作用しない状態になります。その結果、糖がエネルギーとして細胞に取り込まれず、血管の中に余分な糖があふれ血糖値が高くなります。
高血糖状態は、血管壁を傷つけて動脈硬化を進行させ、放置すると合併症を引き起こします。 糖尿病は血糖値が180㎎/dl以上と高値になるまで自覚症状が出ず、体の異常を感じた時には症状が進行していることがあります。


*糖尿病の合併症

必要な治療を放置したり、血糖値コントロールが上手くいかないと、神経障害や網膜症などの微小血管障害を引き起こし、人工透析や失明などにつながることもあります。糖尿病性神経障害が進行して、手足を切断される方は毎年5千人以上、糖尿病性腎症が原因で人工透析を開始される方は毎年1万6千人以上にのぼります。また、糖尿病の合併症のうち、生命により大きな影響(→死亡の危険!)及ぼすと考えられる心筋梗塞や脳卒中などの大血管障害の危険は、糖尿病の方は非糖尿病者に比べると優位に大きい事が知られています。


*糖尿病の代表的な3大合併症「しめじ」

糖尿病の3大合併症は障害の頭文字をとって「しめじ」と呼ばれます。

  • し=神経障害...手足のしびれ、こむらがえり
  • め=目の障害...視力低下、失明
  • 腎臓の障害...腎不全(人工透析)

*予防のためには

糖尿病は、正しい知識と適切な治療の継続により、予防や進行を遅らせることができます。

  • 毎年、健康診査を受け、検査値を確認する
  • 運動を心がける...運動をすると筋細胞への糖の取り組みが促進され、高血糖の改善につながります。有酸素運動(糖や脂肪を燃焼)、筋トレ(基礎代謝アップ)がおすすめです。運動前後はストレッチを!
  • 食生活に気をつける...食物繊維をたっぷりと摂り、「三食規則正しく腹八分目」が高血糖の改善につながります。食物繊維が多い野菜・きのこ類・海藻を味方にしましょう!