耳のはたらきとトラブル
*3月3日は耳の日です
昭和31年に、難聴と言語障害をもつ人々の悩みを少しでも解決したいという社会福祉への願いから3月3日は「耳の日」として制定されました。ちなみに、この日は、電話の発明者であり、ろう教育者であったグラハム・ベルの誕生日でもあります。
*耳のはたらき
耳には、大きく分けて次の2つの役割があります。
音を感じる
耳は、外側から「外耳」「中耳」「内耳」の3つの部分で構成されており、外耳と中耳は鼓膜で隔てられています。音は、左右の外耳を経て鼓膜を振動させ、中耳から内耳の「蝸牛(かぎゅう)」という部分に伝えられ、そこで電気的信号に変換され、神経を通って脳に伝えられます。この中のどこかに異常が生じると、耳鳴りや難聴の原因となります。
バランス感覚を司る
バランス感覚(平衡感覚)は、内耳にある「前庭(ぜんてい)」という部分で感受されており、内耳の異常は、めまいやふらつきの原因となります。
「蝸牛」と「前庭」は、非常に近い場所にあるため、互いに影響を与えやすく、耳鳴りや難聴などの耳のトラブルのある人にはめまいなどの症状も一緒に現れやすくなっています。内耳の障害が原因と考えられているメニエール病でも、耳鳴り、難聴、めまいなどが主な症状となります。
*耳鳴り・難聴の原因は他にも...
耳鳴りや難聴は、耳のはたらきの異常以外にも、高血圧、動脈硬化、糖尿病、自律神経失調症などの全身的な疾患の症状として現れることもあります。
また、心や体の健康状態にも影響を受けやすいため、ストレスや疲れが溜まっていたり、寝不足が続いている状態では、症状が悪化しやすくなるとも言われています。
耳鳴りや難聴は、それ自体が命の危険に関わるわけではありませんが、仕事や勉強に集中できなかったり、気になって眠れなくなるなど、日常生活に大きな影響を及ぼします。バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけ、生活リズムを整えて心身の健康を保つことが大切です。
*豆知識~耳に水が入ったときの対処法
水の入った耳を下にして飛び跳ねる以外に、温かくしたタオルを耳にしばらくあてておくと、水が出てきやすくなります。また、ティッシュペーパーで作ったこよりをゆっくり耳の中へ差し込んでいくと、耳の奥にある水を吸い取ってくれます。