カイセイ新聞

生活習慣病~脳卒中~

*毎年2月は「全国生活習慣病予防月間」です

日本生活習慣病予防協会では、生活習慣予防と健康寿命の伸長を目指し、毎年2月を「全国生活習慣病予防月間」と定め、啓発活動を行っています。
今回は、生活習慣病のひとつである「脳卒中」についてお話します。


*脳卒中とは?

脳卒中とは、脳の血管が詰まったり、破れたりして、その先の細胞に栄養が届かなくなり細胞が死んでしまう病気です。急に倒れて意識がなくなる、半身のマヒが起こる、ろれつが回らなくなる等の発作が起こる他、治療が遅れると症状がひどくなるだけでなく、再発作が起きて命を失うこともあります。日本は昔から脳卒中の多い国で、昭和26年から55年の間は、日本人の死因トップでした。死亡確率が低くなった現在は死因4位ですが、脳卒中を代表する脳血管疾患の患者数は約124万人、年間約12万人が死亡しています。(平成23年 厚生労働省調査より)。


*脳卒中の発作には数タイプあります

脳卒中の発作は人によって異なり、いくつかのタイプに分かれています。代表的なのは脳梗塞と脳出血で、くも膜下出血も脳卒中の発作のひとつです。

  • 脳梗塞...脳を養う血管が詰まるタイプで、脳卒中死亡の60%以上を占めます。
  • 脳出血...脳の中の細い血管が破れて出血し、神経細胞が死んでしまうタイプ。
    高血圧や、年をとって脳の血管が弱くなり血管が破れることが原因となる場合が多い。脳卒中死亡の約25%。
  • くも膜下出血...脳を覆っている3層の膜(内側から「軟膜」「くも膜」「硬膜」)の内、くも膜と軟膜の間にある動脈瘤が破れ、膜と膜の間に溢れた血液が脳全体を圧迫する。脳卒中死亡の10%強。

*脳卒中の予防

脳卒中を防ぐには、関係のある病気の予防や治療、生活習慣の改善が大切です。

~脳卒中の危険因子~

生活習慣では
  • 大量飲酒...1日に1合以上のお酒を飲む人は脳卒中の死亡率が高い。
  • 喫煙...1日平均40本の喫煙は、吸わない人の4倍も脳卒中で死亡しやすい。
  • 肥満...脳卒中の危険因子である高血圧や糖尿病の原因。
    太れば太るほど、脳卒中の発症リスクが上がります。
  • 運動不足...肥満に繋がるばかりか、糖尿病や脂質異常症、高血圧も引き起こす。週3回以上運動する人は脳卒中の発症リスクが下がっています。
症状・病気では
  • 高血圧...高血圧の予防は、脳卒中予防で特に大切だと言われている。
    塩分を摂り過ぎないこと。
  • 脂質異常症...脳卒中の内、脳梗塞になりやすい。肉や脂の多い食べ物の摂り過ぎに注意、首の血管が詰まって起こる脳卒中が増えているそうです。
  • 糖尿病...脳卒中で死亡する率が、正常な人の2~3倍になる。