汗の秘密
*汗の役割とは
汗には「体温調節」という大切な役割があります。人は一定の体温を保った恒温動物です。心臓などの臓器の温度は核心温と呼ばれ、およそ37度に保たれています。これに対し、皮ふ表面や筋肉などの温度は外殻温と呼ばれ、体の内外の熱を入れ換える役割を果たしています。運動や暑い外気に触れるなど、体内で熱が生産された時に、体外へ熱を放出する事で熱量のバランスを取り、体温を一定に保っています。この一役を担っているのが汗です。
*汗が出る2種類の腺
- エクリン腺・・・汗を出す事で体温を調整します。
- アポクリン腺・・・臭いの原因となる汗を出します。アポクリン腺の分泌液の臭いは、異性をひきつけるフェロモンのような役割もあると言われています。
*良い汗・悪い汗
- におわない良い汗
- 日頃しっかり汗をかいている人は、汗腺が水分のみを排出し、さらさらとした汗を流す事ができます。臭いやベタつきも少ないのが特徴です。
- におう悪い汗
- 汗腺の機能低下が起こっている場合、たまに汗をかくと、水分とともにミネラル分まで一緒に排出されてしまいます。健康な汗腺はミネラル分を再吸収して血液中に戻す事ができますが、弱った汗腺にはそれができず、その結果、ミネラル分を含みベタベタした汗をかく事になります。しかも、ミネラル分が失われる事により、体の生理機能が狂い、体が重く感じる、疲れが残るなどの体調不良が起こりやすくなります。
*汗かき上手になる方法?
- 汗の臭いに効き目バッチリなのがレモンです。お湯にレモン汁やレモンの精油をたらし、体を 拭くと効果があります!
- 血行が阻害されたり、食事のバランスが崩れたりしていると、アンモニア臭で汗が臭うよう になります。こんな時は、入浴直前、湯船にお酢を少々入れるとよいでしょう。
おまけ ~汗で分かる!?健康状態~
以前より汗臭い場合、糖尿病や甲状腺の病気の疑いがあったり、汗の量が多くなる、寝汗をかくなどは糖尿病、心臓病の疑いがあるとも言われています。
また、寝ている時はさらさらしておらず、臭いのある不快な汗が出る事が多いです。これを「盗汗(とうかん)」といい、漢方では心身の不調の表れとしています。精神的な緊張状態や疲労、不摂生による胃腸障害、生理不順、更年期障害などで起こりやすいです。一度、自身の汗に注目してみて下さい。