カイセイ新聞

大人の偏平足

*大人の偏平足とは?

一般に、幼児期の子どもの足の裏は土踏まずができていないため、平らな状態です。土踏まずは学童期から思春期にかけてできてきますが、いったんできた土踏まずが、成人してから崩れてしまう症状が「大人の偏平足」です。土踏まずがあると、つま先からかかとまでの縦のアーチが保持され、立っている時や歩行時には、足の内側から外側に向かって体重が分散されます。また、歩行中はかかとからつま先へとスムーズに体重の移動ができます。この縦のアーチが崩れると足の裏は偏平になります。崩れる要因として、後脛骨筋腱(こうけいこつきんけん=アキレス腱の内側から内くるぶしを通って足の裏に伸びている腱)の炎症が関係すると言われています。この炎症は、後脛骨筋腱と内くるぶしの骨がこすれて亀裂が入ることや、足首のねん挫などが引き金で起こるのではないかと考えられています。


*大人の偏平足が進行すると?

偏平足

初期状態では見てわかる変形はほとんどありませんが、内くるぶしのあたりに後脛骨筋腱の炎症によると思われる痛みや腫れが現れます。こうした症状があれば偏平足の前段階にあると言えます。 そのままにしておくと、後脛骨筋腱の機能が低下して土踏まずを支えられなくなり崩れてきます。 また、かかとが少しずつ外側を向き、くるぶしとかかとの間に痛みが起こります。さらに進行すると、縦のアーチが完全に崩れて土踏まずだった部分が地面に当たり、痛むようになります。つま先で立つという動作が困難になるので、物につかまって片脚のつま先立ちができるかどうかで、偏平足のチェックができます。


*偏平足は運動能力が低いのか?

偏平足というと「足が遅い」というイメージがありませんか? もともとの偏平足の場合、土踏まずのアーチが低く不利な状況を足裏の筋力などで補っているため、筋肉が発達する小学校高学年以降は、運動能力の差がなくなっていくのではないかと考えられており、偏平足だから足が遅いというのは事実ではない可能性が高いです。


*大人の偏平足予防に体操で足のアーチを支える筋肉などを鍛える

〈後脛骨筋を鍛える体操〉
  1. 両足でつま先立ちをする
  2. 無理のない範囲で10~20回程度行う
〈足裏の筋肉を鍛える体操〉
  1. 足指でグー、チョキ、パーを作る
  2. 朝晩20~30回程度行う(目安)
※体操は痛みがある時は無理に行わない事。