カイセイ新聞

ドライマウス

*ドライマウスとは

ドライマウスとは、唾液の分泌量が少なくなる事で口の中が乾いた状態になる症状です。ドライマウス人口は年々増加しており、現在は8百万人とも推定されています。しかし、まだまだ自覚者の少ない症状でもある事から、潜在的なドライマウス予備軍は約3千万人にも及ぶと言われています。口が乾く経験のある方は、ドライマウスの特徴を理解し、生活の中でケアする事が大切です。


*ドライマウスの原因

原因は様々です。一般的には加齢による唾液の分泌機能低下があげられるほか、精神的な緊張などによるストレス、糖尿病・腎臓病などの病気、薬の副作用などがあります。口が乾く副作用を生じる薬剤の服用や、軟らかい物ばかりを食べる事で、あご周辺の筋力が低下する事による唾液の分泌機能の減少など、生活習慣によるものがあります。また、飲酒や喫煙によっても唾液分泌が減少します。二日酔いの朝、口の中が乾く経験をお持ちの方も多いと思います。


*ドライマウスは薄毛に関係する!?

ドライマウスの症状をお持ちの方の中には、薄毛に悩んでいる人が多いという事が知られています。加齢に加えて、唾液分泌が少ないとIGF-Iの量がさらに減ってしまうために、薄毛の人が増えるのです。(IGF-I...抜け毛・薄毛を防ぎ、発毛・育毛を促すカギとなる物質であり、全ての人の体内に存在する。)
では、なぜ唾液が少ないと薄毛になるのでしょうか?実は、唾液に含まれている「シアル酸(N-アセチルノイラミン酸)」という物質に育毛効果があるからです。
シアル酸は、唾液中では糖タンパクに結合していますが、胃酸の作用によって胃で「遊離シアル酸」という物質に変化し、胃を刺激する事でIGF-Iを毛根で増やして、発毛・育毛効果を発揮するのです。したがって、シアル酸が含まれている唾液が減ると、抜け毛・薄毛になりやすくなるわけです。


*唾液の分泌を促そう!

現時点では、残念ながら根本的な治療法はありません。人工唾液、口腔乾燥症状改善薬や保湿剤、うがい薬などによる対症療法に頼らざるを得ないのが現状です。さらに口腔機能低下によるドライマウスには口腔機能訓練や食事の工夫が有効的かもしれません。

  • 耳下線をマッサージ・・・人差し指から小指までの4本の指で両耳の下(奥歯の上あたり)を回すように10回ほどマッサージする。
  • 噛まなければならない調理法を選ぶ・・・食材を大きめに切る、噛みごたえのあるものにする。
  • 唾液がたくさん出る食べ物を食べる・・・梅干しやレモンなど酸っぱいものを食べたり、ガムを噛むなどして唾液を出す。