カイセイ新聞

生活習慣病予防 ~糖尿病~

平成22年の国民健康・栄養調査によると、60歳代男性の5人に1人が糖尿病であるという事が明らかになっています。今回は糖尿病についてお話します。


*糖尿病とは

糖尿病とは、血糖値が高くなる病気の事を言います。食物や飲物は消化されると、身体を動かすエネルギーの源の「ブドウ糖」に変わります。血糖値とは、このブドウ糖が血液の中にどれぐらいあるかを示すもので、糖尿病になると、ブドウ糖がそれを必要とする細胞まで運ばれずに血液中に溢れてしまい、血糖値の高い状態が続きます。


*4つの種類

糖尿病の種類は主に4つ(1型・2型・その他特定の疾患によるもの・妊娠によるもの)あります。日本人の95%が2型で、インスリンの分泌低下や働きの悪さの要因等に、日常の運動不足や過食などの生活習慣が加わり、発症してしまうタイプです。(※インスリン...ブドウ糖をコントロールしてくれるホルモンの事)


*糖尿病は他人事!?

「糖尿病なんて、自分には関係ない」と思っていませんか?糖尿病は、年齢や性別に関係なく誰でもなり得る病気で、生活習慣と深い関係があります。残念ながら、現在の医療技術で完治させる事が出来ない病気ですが、食事や運動、薬剤により、症状をコントロールする事ができます。まずは糖尿病を正しく理解し予防する。もし、糖尿病ならば正しく理解し、前向きに病気とつき合う事が大切です。


*食事療法のポイント

食事療法は、無理なダイエットとは意味が違い、健康であるために1日に必要なエネルギーは必ず摂取することが前提であるため、「規則正しい食生活を送るためのもの」であると考えましょう。
ある程度決まった時間に3食とる事は、特に薬物治療を行っている場合には重要です。まとめ食いや夜遅い食事は、糖尿病を悪化させます。
また、3大栄養素摂取をエネルギー量比で、糖質は55~60%、タンパク質は15~20%、脂質は20~25%でとり、これにプラスして、ビタミン、ミネラル、食物繊維もよくとるように心掛けましょう。


*「下り坂より上り坂を歩く事が糖尿病予防に効果的」○か×?

正解は×。山を上り下りする運動の効果を調べた所、上り坂には中性脂肪を、下り坂には血糖値を下げる効果が高かったとの報告があります。上り坂では糖と脂肪をエネルギー源とする「遅筋」という筋肉が、下り坂では主に糖をエネルギー源とする「速筋」が多く使われます。お腹を引っ込めたい人や中性脂肪が高めの人は上り坂を、血糖値が高めの人は下り坂を、運動に使うと効果的かもしれません。