睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠時無呼吸症候群をご存知ですか?日本には人口の約4%、およそ200万人いると言われています。今回は、睡眠時無呼吸症候群についてお話します。
*いびきとの関係
狭いのどに無理矢理空気を通そうとするといびきが生じます。毎日とる睡眠は身体のコンディションに影響されます。例えば、過労時や深酒をした日の夜はいびきをかく方もいる事でしょう。しかし、慢性的にいびきがある方やいびきといびきの間に息が止まってしまう方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性がありますので要注意です。
*睡眠時無呼吸症候群とは
この病気は読んで字のごとく「睡眠時」に「無呼吸」状態になる病気です。「無呼吸」とは10秒以上の呼吸停止と定義され、この無呼吸が1時間に5回以上、または7時間の睡眠中に30回以上ある方は、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。眠っているつもりでも、身体にとっては十分な睡眠がとれておらず、起床時に頭痛が生じたり、日中の居眠りが多くなったりします。いびきをかく人に多くみられます。また高血圧や心疾患、糖尿病などの合併症および動脈硬化とも関連があると言われています。
*睡眠時無呼吸症候群の75%以上がメタボリック症候群!?
標準より太っている人は、首やのどの周りにも余分な脂肪を蓄えている事が少なくありません。この脂肪によって上気道を狭くしてしまい、知らぬ間に空気を通りにくくして、睡眠が浅くなります。(睡眠中呼吸が止まると、実は寝ていない状態になる。)すると、脂肪の分解を促したり、たんぱく質の合成を促進したり、糖質、骨、水分やミネラルなどさまざまな代謝を調節しながら、体が常に一定の状態に保たれるようにバランスを保つ役割を果たしている「成長ホルモン」が分泌されず、バランスが崩れ、食欲を抑制するホルモンが減少し、反対に食欲が出るホルモンが増えてしまったりします。脂肪や栄養分が分解されず代謝が悪くなる事でさらに太り、悪循環を生みます。
*日常でのセルフケア
生活に運動を取り入れましょう。厚生労働省が生活習慣病の抑制目的で日常生活に運動を取り入れた「エクササイズ2006(健康づくりのための運動指針2006)※ホームページ参照」を参考にしてみるのもよいでしょう。その他、食事には気をつけ、タバコ、寝酒は控えるようにしましょう。
**最後に**
睡眠時無呼吸症候群は、しっかり治療すると無呼吸がなくなり、生活習慣病や眠気などの症状もきちんとコントロールできます。なかなか症状に気づきにくいため、治療を受けている方が少ないのが現状です。気になる方は、早めに専門の医療機関を受診しましょう。