気をつけましょう!薬包装シートの誤飲
内服薬を飲む際に、包装ごと飲みこんでしまい喉や食道などを傷つけたという事故が2000年~2010年の間に高齢者を中心に86件報告され、入院を要する事例も10件ありました。(国民生活センター調べ)
近年、増えてきている「包装シートの誤飲」についてお話します。
☆包装シートの誤飲とは?
- 内服薬の包装は、プラスチックにアルミなどを貼り付けた「PTP包装シート」などと呼ばれるものが主流です。
1996年以前のPTP包装は、縦横にそれぞれミシン目が入っており、1錠ずつ切り離せる構造でしたが、錠剤と一緒にPTP包装を誤飲してしまう事故が頻発しました。
そのため、1錠ずつに切り離せないようにミシン目を一方向のみとし、誤飲の注意表示を増やすなどの対策がとられました。
しかし、その後も依然として誤飲事故は起きています。
☆誤飲してしまったらどうなる?
- PTP包装は切り離すと角が鋭利になるため、誤飲すると喉や食道などの人体内部を傷つけることがあります。また、自力で取り出すことは難しく、X線写真にも写りにくいため、内視鏡で取り出すことになるなど、身体への負担も大きいと言われています。
☆注意が必要な年齢などは?
- 誤飲の報告は、習慣として毎日、薬を服用する機会の多い高齢者の方に目立つものの、若い年代でも事例があります。慌てていたり、 テレビを見ていたり、お喋りをしていたりした場合などに、ふとした瞬間、無意識にシートのまま誤飲してしまうことが多いようです。
☆誤飲防止には?
- 薬はなるべく1錠ずつで切り離さず、シートの状態で保管。薬を飲む前に薬をシートから押し出しましょう。
- 本人だけではなく家族など周りの人も薬を口に入れる直前に、包装から出しているかを確認・注意するようにしましょう。
- 薬局で「一包化」することで、包装シートから取り出した状態の薬をお渡しすることができます。「一包化」とは1回分ずつの薬を、袋にまとめて入れる方法です。
詳しくは薬剤師にお気軽にご相談下さい。