hasegawa's blog

2016年12月

流行りもの


みなさんこんにちは、長谷川です。



さて、「流行りもの」と銘打ったテーマ、

勘の良い皆さんならお気付きのはず。


そう、今度は私、マイコプラズマ肺炎にかかってしまいました...。



流行ごとにはかなり無頓着、

巷で話題になっているドラマや曲などはさっぱり知らないのに、

こちらの「流行」にはかなり敏感に反応してしまうのは

なんとも悲しいことで...。



そもそも「マイコプラズマ肺炎」って何なの?

と思いの方に簡単にではありますが説明させて頂きますね。


この「マイコプラズマ」という、何やらSFチックな名称...

実はこの肺炎を引き起こす病原体の名前です。


この病原体の大きな特徴は、細胞壁をもっていない細菌だということです。

え?ちょっと待って、細菌は細胞壁があるのが特徴って学校で習ったよ?

という方、鋭い!!!


そうなんです、

細菌の特徴として「細胞壁がある」と生物の授業で教わった方が多いと思いますが、

マイコプラズマが属するモリクテス綱というグループは、細菌でありながら細胞壁を持たない

一風変わったグループです。


そんなマイコプラズマに感染し、肺炎症状を発症したのが「マイコプラズマ肺炎」です。


勤務店舗でも、寒くなると良く小さなお子さんがマイコプラズマにかかられて受診され、

お薬をお渡しさせて頂くことが増えてきます。

大人でも発症することがありますが、やはり幼児や学童といった

小さなお子さんが発症されるケースが多いですね。



私、最初は39℃前後の熱が出て、「もしやインフルエンザでは...?」と心配になり

近くのクリニックで検査して貰うも結果は陰性、

「ちょっと疲れて熱が出たのかな?」程度に思っていたのですが、

安静にしてるも熱は上がる一方...(T_T)


体温が41℃を超えて、息苦しさも出てきてからは「さすがに、これはおかしい...」と思い、

自宅近くの医療機関でレントゲンを撮って貰うと、肺が陰って見える...

先生「おそらくマイコプラズマですね、今年は特に流行っていますから。」


しまった...



ここでさきほどお話ししたマイコプラズマの「細胞壁をもたない」という特徴。

マイコプラズマは「細菌」なので、治療には抗生物質(抗菌薬)を用いるのですが、

この特徴のせいで様々な抗生物質の中でも「細胞壁を作らせないことで殺菌作用を示す」

といったタイプの抗生物質が効きません!


なので、また違うアプローチで殺菌効果を示す抗生物質が使われます。

(主に「マクロライド系」と言われる種類の抗生物質が使われますが、

年々、耐性菌も増えているようです。)


しばらくお休みを頂き、連日の抗生物質の飲み薬と点滴による治療で

なんとか回復しました...。

(皆さん、いつもいつもごめんなさい・・・。)



先生のお言葉通り、

ニュース等にも取り上げられるくらい特に今年は大きく流行した年でした。

興味深いことにマイコプラズマは4年ごとに大きく流行すると言われており、

別名「オリンピック熱」とも言われます。

まさに、リオオリンピックの年に私は罹ってしまったということですね...。



今年はインフルエンザが少し早く流行すると言われていたり、

既に巷ではノロウィルスのニュースが頻繁に流れていたりと、

この時期は感染性の疾患が猛威を奮いだします。


皆さんも、くれぐれもお気を付けください...。

2016/12/19(月) 15:57