kimura's blog

2011年7月

患者さんとのつながり

本格的な熱帯夜が続きますが、皆さん水分はしっかりと摂ってくださっていますか?

今日は、堺店をご利用下さっている患者さんとのつながりについて話したいと思います。
業務に追われると、ついつい置いていってしまいそうな、「患者さんを追う気持ち」。
私には、その気持ちを忘れかけた頃に、いつも思い出させてくれる方がいます。

その方は最初、ある病院の薬のみを当店でお渡ししていた方でした。
ご高齢であることと、毎回ご利用くださる方という事がきっかけで何だか気に掛かるようになり、
その日の調子をお伺いしたり、副作用が出ていないかの確認をしたりして、コミュニケーションが取れるようになっていました。

その方がある日、他の病院の診療科にかかられ、処方せんを持ってこられました。
「どうしたんだろう?」
とても気になり、お話を伺って副作用の説明もさせてもらいました。
そしてその後、しばらくお顔を見なくなりました。
「どうなさったんだろう。」
しばらくはその気持ちが一杯で、薬局のドアが開くたびに視線が走ります。
それ程思っている方であっても、来られない日が経つにつれ、
ついついその想いが薄らいでいきます。

そんな時です。
半年近い月日が流れたある日、代理の方が3つ目の病院の処方せんを持って来られました。
3つ目の病院は、堺店とは遠く位置しており、本来なら処方箋の持ち込みは見られない病院です。
お伺いすると、「公園で転倒したため、入院していて本人が来ることが出来ないけれど、ここでお薬をもらえますか?」とおっしゃるのです。
「もちろん対応させてもらいます!」と処方せんを受け、その後もずっと代理の方が処方せんを持ってきてくださるようになりました。
そして、その方の処方せんをお受けするたびに、「ご本人はどうなさっているんだろう?」「体調の方はもう大丈夫なんだろうか?」
色んな気持ちがわいてきます。

そして最近、これまた堺店とは遠く離れた4つ目の医療機関の処方箋を家族さんが持ってこられました。
どんどん気持ちが近づいていきます。まるで家族を思うように気になるのです。

自分の患者さんを持つということ。患者さんを追うということは、
難しい質問を受けた時などに逃げられない怖さもありますが、
これほど薬剤師として嬉しいことはありません。

自分がお渡しした薬でどのように良くなるか。副作用は出てはいないかを常に気にする。
もし、次にこのような訴えがあったら、こういう対処法があると教えてあげよう。
この薬の方が合うかもとアドバイスできないかと考え、
症状にあった薬の処方を組み立ててみる。
「次はいつ来られるのか?」「薬に変更はないか?」
常にそのような気持ちを持ってお迎えすることが、薬剤師には必要なのだと思います。

今回の方は異なる4つの医療機関からの処方せんを、全て当店に持ってきてくださっています。
しかも、そのうち2つは遠方の医療機関で、取りに来られるのはいつも家族の方。
それまでして処方せんを預けていただけるということは、私たちを信頼して下さっている。
もしくは、私どもの想いが伝わっているからなのではないかと感じます。

その方のおかげで、私は薬剤師の本質を忘れずにいられるのだと思っています。

2011/07/29(金) 07:30

手紙

ご無沙汰しております。

ここの所、急に暑くなりましたね。
室内での熱中症が話題に上がっています。
喉が渇きを感じるその前に!水分補給をお願いします。


さて、本当でしたら先月、店のスタッフが患者さんから頂いた何物にも替えがたい
感動の贈り物すぐさまお伝えしたかったのですが、
採用試験のことなどが重なり、一月近く遅れての報告になってしまいました。

あれは、6月初めの頃です。
医療人として、自分のいる意味がわからなくなってきたと悩んでいるスタッフがいました。
彼女は単に薬を渡すだけではなく、自分が患者さんに寄り添うことで、
治療に専念する為に不安を取り除き、治療と戦う為の目標を作ろうと懸命に考える人で、
話をしづらい診療科の方の心のケアをしたいからと、病態や薬の知識はもちろん、
コミュニケーションや心理学の勉強も行い、
カウンセリングを行うかのように患者さんと向き合います。

「何だか表情が優れなかった。」「何かもっと話したそうな顔をしていた。」
そういう方には電話をかけ、「どうかなさいましたか?少し気になったものですから」
そうやって自宅で一人悩んでいる人の心に触れてきました。
そして電話の後、その患者さんが来局されたと知ると、すぐに声をかけに行きます。
すると、患者さんの顔が一気に明るくなるんです。
きっと、「電話の後も心配してくれてたんだ」と、嬉しく思ってくれているのでしょう。

私からすると、他の業務の多忙さに流されて、
患者さんとしっかり向き合うことを忘れかけていたくらいなのに、
彼女はそれだけしていても、自分がきちんと向き合えていないのではないかと悩むんです。
どうしてこんなにも不安に思うのかと、どうしたら感じてもらえるのかと思っていました。

そんな彼女が、ある日の朝一番に「いいもの見せてあげますよ」と、笑顔で近づいてきました。
手渡されたのは、彼女が患者さんから頂いた直筆のお手紙でした。

そこには、「先生の言葉を聞くにつれ、胸のつかえがすっーと取れて涙を流してしまい、
驚かれたでしょう?でも先生に言われたようにやってみたら、
家族の関係も自然と元のようになり、今となっては、
あの時どうしてあんなにも苦しんでいたんだろうと思うほどになりました」
そのような内容が書かれていました。

それはまさに私たち薬剤師が、治療の一部に深く関われているという、何よりの証でした。

どうしたら自信を持ってくれるかと心配していましたが、彼女は患者さんから直接、
その評価をいただいたのです。
一文字一文字に心がこもった、とても温かいお手紙でした。
私もこの手紙がほしい!!本当にそう思う内容でした。

「師匠の背中を追って頑張ってきた私が患者さんに認められたんだから、
師匠が認められたのも同じですよ。ただ、師匠を超えたので、
これからは私のことを自分の弟子であると公認してください。」
胸を張って笑うその姿を見て、
「私も負けていられない。言い訳をせずにもっと患者さんに向き合おう。」
そう思って、今は自分なりに処方解析をしては弟子の考えを聞き、
全スタッフで共有しようとファイルに落としています。

こんな風に、自分を患者自身に置き換える薬剤師。
患者さん自らが目指してきてくださるような薬剤師がもっとたくさん育つことを願うばかりです。

2011/07/02(土) 21:47